Project/Area Number |
22KJ2862
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Project/Area Number (Other) |
22J01347 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 39040:Plant protection science-related
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
藤本 祐司 立教大学, 理学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 小分子RNA / 植物ウイルス / RNAサイレンシング / processing body |
Outline of Research at the Start |
細胞内は膜のある構造や幕のない微小液滴によって細かく区画化されている。小分子RNAによって配列依存的に相補的な遺伝子を制御するRNAサイレンシングは、植物においてはウイルスやトランスポゾンに対する防御機構として極めて重要な役割を担っている。本研究では、区画化されたRNA制御の場を細胞内から選別して抽出し、この構成因子や内部のRNA動態を把握し、RNAサイレンシングの全容解明に向けた足がかりを作りたいと考えている。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、活性の高いタバコ培養細胞抽出液を調整することができた。本抽出液を用いた無細胞系と、昨年度確立を確認できていたNicotiana benthamiana葉における一過的な発現系の両者において、二次的siRNA生成が再構成でき、さらにノーザンブロットによってこの二次的小分子RNAの蓄積を評価できることを確認した。また、後者においては、ウイルスの持つサイレンシングサプレッサータンパク質を共発現させることで、二次的小分子RNAの蓄積量が大きく低下した。サイレンシングサプレッサー活性を低下させる変異を導入したウイルスタンパク質を共発現させた場合には、二次的小分子RNAの蓄積が野生型共発現時に比べて回復していたことから、本系はウイルスタンパク質のサイレンシングサプレッサー活性を解析する上でも有用であると考えられた。 無細胞系においては、免疫沈降法によってRISCとSGS3との相互作用を確認することができたが、SGS3をトランスに発現させた場合には安定した検出が困難であったため、今後条件検討を行うほか、ベイトとなるタンパク質や使用する抗体を変更するなどを試みる。 受け入れ研究者である岩川弘宙博士と共同で、植物の二次的siRNA生成機構に関する総説を執筆した。既知の分子機構の概説に加え、二次的siRNA生成が何によって増幅され、どのように抑制されているのかにも言及し、ウイルスやトランスポゾンのような急速に増加するinvasive RNAに対する植物RNAサイレンシングの応答の経時的な動態モデルを、現段階での研究報告を踏まえて考察しようと試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で用いている無細胞系は細胞抽出液由来のものであり、抽出液内在の因子が反応に関与している。SGS3はRISCに認識された標的RNAを安定化する機能を持つ二本鎖RNA結合タンパク質であり、この他にも複数の需要な機能を持つことが示唆されている。この機能を解析するため、複数の変異体SGS3を作成し、これを無細胞系で発現させてRISCとの相互作用を検証しようと試みたが、これらのトランスに発現させたSGS3とRISCとの相互作用は、大きな傾向については反復間で再現性が取れている一方で、発現量や免疫沈降の効率はばらつきが大きく、考察を困難にしている。 加えて、本研究室において育成しているN. benthamianaはRNA顆粒形成が先行研究に加えて緩やかであると考えられ、SGS3とともにsiRNA bodyに局在することが報告されているRDR6をSGS3と共発現させた場合、先行研究に比べてbody局在性が弱い傾向がある。ヒートショックなどのストレス刺激を加えてRNA顆粒形成を促す方法を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞内局在に変化が生じるような変異体SGS3についても、TurboIDを付加し、その細胞内における相互作用因子を解析する。また、これらの変異体については試験管内二次的siRNA生成系によって、その機能にどのような影響が生じているのか解析するとともに、AGO7、RDR6といった他の二次的siRNA生成関連因子の細胞内局在にどのように影響するのか解析を行う。 Nicotiana benthamiana葉における一過的な発現系においてサイレンシングサプレッサー活性を示したウイルスタンパク質については、試験管内解析系によってその作用点を詳細に解析する。二次的siRNA生成機構は、RISCによる標的RNAの認識、RISCと関連因子によるRDR6のリクルート、RDR6による二本鎖合成、DCL4による二本鎖の切断の四段階に分けられるが、このうちどの段階に作用しているのか検証する。 無細胞系においては、RISCとトランスに発現させたSGS3との相互作用を安定的に検出することが課題となっており、引き続き条件検討を行う予定である。
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