Project/Area Number |
22KJ2957
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Project/Area Number (Other) |
22J22262 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 36010:Inorganic compounds and inorganic materials chemistry-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
疋野 拓也 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2024: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 多孔質触媒 / ナノ多孔体 / シロキサン系材料 / ビルディングブロックアプローチ / 金属酸化物ナノ粒子 / エアロゲル / かご型シロキサン / ビルディングブロック |
Outline of Research at the Start |
代表的なシリカ系固体触媒であるゼオライトは、工業的に広く利用されており、その触媒活性の制御は重要な課題である。ゼオライトの触媒活性は細孔径や金属の配位数のみならず、ケイ素-酸素-金属の結合角、金属間距離、金属の周辺の環境(官能基や親疎水性)などに強く依存するため、骨格の精密な制御が触媒活性の向上に重要である。本研究では、ビルディングブロック法により、分子レベルで構造を制御し、高い触媒活性を有するシリカ系固体触媒を創出することを目指している。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、かご型シロキサンなどのシロキサン系ビルディングブロックから、金属活性点が制御された多孔質触媒の合成を行い、触媒活性を含む性質調査を行うことで、触媒活性向上に向けた無機多孔体の構築を目指している。 令和5年度は、ビルディングブロックとして、ジメチルシラノール基が修飾されたかご型シロキサン(Q8D8)をSn種やAl種により架橋し、多孔体を合成した。Sn種により架橋された多孔質触媒を用いて、シクロヘキサノンのBV酸化反応を検討した。また、Al種による架橋においては、共存させるアミンの種類により、その多孔性とAl(IV)の導入量が変化することが明らかになった。これは、アミンの構造とAl種の制御という観点から従来型のゼオライト中へのAl種導入とは異なる観点でアミンによる細孔構造やAl環境制御にせまるものであると考えている。また、異なるビルディングブロックとしてテトラキスジメチルシラノールシラン(QD4)を用いたAl種による架橋体合成において、アミンの除去により多孔性の発現に成功した。さらに、Ti-O-Ti結合により架橋したPOSS分子の触媒活性調査を行い、不飽和なTiサイトを有する単核Ti-POSSと同等の活性を示し、二核Ti-POSSが高い活性を有することを明らかにした。また、XAFS分析によりTiサイトの構造や過酸化水素水添加によるTiサイトの構造変化について、明らかにすることができた。昨年度に実施した国際共同研究の展開として、酸化チタンエアロゲル表面への定義されたシロキサン骨格を有する多孔質構造の構築を検討した。多孔質構造形成のためのシロキサン前駆体として、かご型シロキサンを選択し、表面修飾などの検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シロキサン系ビルディング分子として、かご型シロキサン(Q8D8)のみならず、より小さい放射状シロキサン分子(QD4)についても検討し、金属ー酸素ーケイ素結合を有するネットワークの構築、および焼成によるミクロ多孔体の合成に成功した。 また、様々な金属種の展開に成功している。加えて、新たなメタロシロキサン分子の合成に挑戦し、Ti-O-Ti結合を有するシロキサン分子の合成に成功した。 現在、これらの複数の成果を論文にまとめている段階であり、令和6年度に出版できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、以下の3点を中心に研究を推進する予定である。 ①かご型シロキサンの官能基を変化させ、得られる多孔質触媒の特性(骨格構造、多孔性、金属環境、触媒活性)がどのように変化するのか、を明らかにする。 ②金属種に応じた触媒活性(ルイス酸触媒のみならずブレンステッド酸触媒)の調査を進める。 ③金属酸化物エアロゲルへのかご型シロキサンの修飾および金属種の担持による新たな担持触媒を合成し、その機能を明らかにする。
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