Analysis of Age-dependent Functional Changes in Skeletal Muscle CB1 Receptors by an in Vitro Model of Aging-related Muscle Atrophy
Project/Area Number |
22KJ2960
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Project/Area Number (Other) |
22J22478 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
森 一明 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2022: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | カンナビノイド受容体 / ミトコンドリア / ポリジメチルシロキサン / 伸展培養 / PDMS / CRISPR/Cas9 / 表面設計 / カンナビノイドCB1受容体 |
Outline of Research at the Start |
老齢マウス由来の細胞を初代培養する際に細胞単離数と培養中の生存率に問題があるため、in vitroでの老化研究はあまり行われない。我々は、gentleMACSという全自動組織ホモジェナイザーと細胞接着性を向上させる培養表面の修飾を組み合わせることで、老齢マウス由来の筋芽細胞の初代培養を行い、老齢マウス由来の筋繊維の作成し、新たな骨格筋老化のin vitroモデルの構築を目指す。加えて、in vivoにおいて老化により生理的機能が変わることが報告されているカンナビノイドCB1受容体に関して、その老化依存的な機能の分子メカニズムをこのモデルを用いて探索する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ポリジメチルシロキサン(PDMS)は生体適合性が高く、医療器具や医工学でよく使われるバイオマテリアルである。PDMSは高い伸縮性ももつため、細胞に外的刺激を与えながら培養する伸展培養においてもよく使われる。一方で、PDMSは疎水性が強く細胞接着性が低いため、細胞培養の際には細胞外マトリックスタンパク質(ECM)を表面にコーティングし親水化させる。従来の研究から、ECMのコーティングは物理吸着よりも化学固定の方が細胞接着性が向上することがわかっているものの、伸展培養系においてECMをPDMSに化学固定した研究は極めて少なかった。そこで我々は、タンパク質をPDMSに化学固定し、表面のコラーゲン量とマウス筋芽細胞C2C12の細胞増殖性を伸展培養系において評価した。その結果、化学固定により表面のコラーゲン量が安定して存在し、伸展刺激による細胞剥離が抑えられていた(Kazuaki M., et al., Biomacromolecules 2023, 24, 11, 5035-5045)。加えて今年度は、この化学固定手法を用いてマウス筋芽細胞C2C12を分化培地での伸展培養を行った。この系においても物理吸着ではC2C12は1日で剥離してしまうが、化学固定では剥離しなかった。続けて、分化培地での伸展培養1日後のミトコンドリアの形態とMyogenin(分化マーカー)の発現量を確認した。ミトコンドリアは伸展させていない群と比べて、ミトコンドリアネットワークが複雑化し、配向性を形成するような結果が得られた。一方で、Myogeninの発現は変わらなかった。そのため、3~5日間といった長期間にわたる分化培地での伸展培養を行い、Myogeninの発現量が変化するタイミングを調べる必要がある。 また、この系を用いてカンナビノイド受容体CB1の筋分化とインスリン抵抗性における役割を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞膜とミトコンドリア外膜のどちらにもカンナビノイドCB1受容体が発現していると考えられる筋芽細胞C2C12に対してゲノム編集を行い、CB1受容体欠失C2C12細胞(CB1-KO C2C12)の作製を試みた。CB1-KO C2C12を用いることで、細胞膜にのみCB1受容体が発現しているCB1-DN22-KI C2C12も作製可能となる。WT C2C12、CB1-KO C2C12、CB1-DN22-KI C2C12、これらを比較することで、細胞膜のCB1受容体とミトコンドリア外膜のCB1受容体のそれぞれが司る細胞生理学的役割を検討することができる。そのため、CRISPR/Cas9システムを用いてCB1-KO C2C12の作製を試みた。結果として、Cnr1 gene(CB1受容体の遺伝子)に対して変異を生じさせることに成功した。しかし、CB1受容体のタンパク質発現の確認およびCB1受容体のシグナル伝達機能の確認において、我々が作製したCnr1変異C2C12での機能欠失を確認することができなかった。そのため、CB1-KO C2C12の作製は途中でペンディングすることとなった。現在は代替案として、細胞膜にのみ結合するCB1受容体拮抗薬と細胞膜およびミトコンドリア外膜に結合するCB1受容体拮抗薬を用いる薬理学的アプローチにより、当初の目的を遂行することにした。 並行して、分化培地を用いた伸展培養系の確立には成功した。分化培地での伸展培養において、従来のECMの物理吸着法ではPDMS上のC2C12は伸展培養1日目で剥離することが確認されたが、化学固定法では剥離しなかった。現在、化学固定法を用いてより長期間にわたる培養を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
PDMSを用いた伸展培養系においてC2C12を分化させる。その際にCB1受容体作動薬ACEAを3~5日間慢性投与する。先行研究から、ACEA投与群は分化が対照群に対して遅れ、インスリン抵抗性が低下するることが示唆される。これらの現象が、細胞膜にのみ作用するCB1受容体拮抗薬Hemopressin、細胞膜およびミトコンドリア外膜に作用するCB1受容体拮抗薬リモナバン、どちらによって改善されるのかを確認する。その比較により、細胞膜のCB1受容体、ミトコンドリア外膜のCB1受容体、どちらがCB1受容体により制御される筋分化とインスリン抵抗性に寄与するのかを検討する。加えて、そのメカニズム探索においてミトコンドリアに着目し、ミトコンドリア機能および形態を調べる。 次に、加齢状態を模すために細胞老化を起こすセラミドを慢性投与する群と、CB1受容体を過剰発現させた群での検討を行う。最近の研究により、筋肉において加齢によりCB1受容体をmRNAの発現量が上昇していることが示唆されている。これらの群においても、上記のACEA、リモナバン、Hemopressinを用いたCB1受容体を筋分化とインスリン抵抗性の役割を検討し、加齢(細胞老化)状態におけるCB1受容体の役割の変化を確認する。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)