Project/Area Number |
22KJ2963
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Project/Area Number (Other) |
22J00586 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
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Research Institution | Shinshu University (2023) Waseda University (2022) |
Principal Investigator |
新津 健一郎 信州大学, 学術研究院人文科学系, 助教
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 中国古代史 / 西南中国 / ベトナム / 石刻 / 地方志 / 地域社会 / 石刻史料 / 四川 / 雲南 / 嶺南 / 古代東アジア |
Outline of Research at the Start |
中国・東南アジアの境界をなす四川・雲南・華南及び北部ベトナム一帯には、6世紀までに漢字・ 儒教・ 仏教などの文化が伝わった。一方10世紀以後になると、このうち四川・ 華南は中国との関係を深め、雲南・貴州には独自政権が成立し、北部ベトナム紅河デルタにも大越国の原基が形成された。こうした地区ごとの差異はどのように生まれたのか。本研究は、6世紀から10世紀を対象とした地域社会史の分析によってこの問いに答える。新史料や地理情報に基づいて地域史の展開を従来よりも高い解像度で解明し、地域間の比較を行うことで各地区の特色を析出する。これによって西南中国一帯の社会・文化的特質及びその歴史的意義を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、6-10世紀の西南中国地域社会に生じた変容を解明することにある。西南中国とは、現在中国・ 東南アジアの境界地帯となっている四川・雲貴・華南及びベトナム北部を指す。この地域には、6世紀までに漢字・儒教・仏教などの文化が移入されたが、10世紀以後、中国王朝への統合(四川・華南)、独自政権の成立(雲貴・ベトナム)など地区ごと異なる歴史展開をみせた。本研究ではその要因を明らかにすべく、新発見史料を含めた分析に基づいて各地域社会の性格の解明に取り組んだ。 上記の目的に即した史料として、四川には1990年代以降発見された唐代墓誌、雲貴には伝存石刻である南詔徳化碑・王仁求碑及び爨氏関連石刻、華南には桂林石刻、ベトナムにはタンロン城遺構及び関連遺物・青梅社鍾銘などが知られる。本研究ではこれらを主要史料と位置付けて基礎情報を蓄積し、また文献史料や隣接時期の史料と対照して検討を行った。今年度、四川に関しては、地域社会指導層の在り方の長期的変容について分析に取り組んだ。その成果は魏晋南北朝史研究会におけるシンポジウムで発表し、他の研究者からフィードバックを得た。雲南に関しては前年度から引き続き爨氏の動向を検討し、同時に昨年発掘成果の公表が始まった河泊所遺跡(漢代)にも注意して、漢系文化と現地社会の接触について検討を進めた。華南・ベトナムについては、隣接する両地域がたどった歴史的展開の差異について検討を行い、前記の主要史料に加え6世紀の辛瑾墓誌・8世紀の李タク〔水+豕〕墓誌(いずれも中国側の人物)にも注目して史料分析を行った。 以上の作業を通じ、6-10世紀の西南中国各地区における地域社会の状況及びその変容・地区ごとの差異が明らかとなった。これにより、隋唐期中国における周縁部の社会動態や地域区分的歴史把握への展望がもたらされた。各論点については論文としての公表を準備中である。
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