Project/Area Number |
22KJ3024
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Project/Area Number (Other) |
22J01670 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山崎 大暉 立命館大学, OIC総合研究機構, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 実験心理学 / 多感覚知覚 / 空間知覚 / 聴覚 / 視覚 / 三次元空間知覚 / 身体前後空間 / 自閉症スペクトラム |
Outline of Research at the Start |
聴覚は周囲360度の情報取得が可能な感覚様相であり,特に視覚や触覚が制限される視野外や身体後方の空間知覚は,聴覚に特異な機能である。そのため,背後の音は広範囲な空間の探索や定位,素早い行動を駆動するなど,前方の音とは異なる機能を有する可能性がある。本研究は,身体後方に呈示される音の知覚・認知特性とその影響の解明を目指す。聴覚刺激を前後空間に呈示する心理物理実験と行動実験により,身体前後における注意の特性,視知覚における前後音の影響,高自閉症傾向者における対人特性と後方知覚の関係性などを明らかにする。これらにより,多感覚情報処理から実生活行動に及ぶ心的過程で身体後方の音が果たす機能を理解する。
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Outline of Annual Research Achievements |
聴覚は視野の範囲や身体による制約を受けず,全方位における近距離から遠距離までの空間情報を提供している。特に視野外空間の知覚は聴覚に頼っており,見えない場所の危険検出や日常場面でのコミュニケーションなど重要な役割を担うと考えられる。そこで本研究では,心理物理実験や認知課題を用いて,身体後方の音が我々の多感覚的知覚や認知・感情に及ぼす特異な影響を検討する。本年度は,視野内外の音が視覚情報処理に及ぼす影響を検討した。視覚刺激に聴覚刺激を同時呈示すると,低次視知覚(グレーティングの傾きや明るさ)のパフォーマンスが向上することが知られている(e.g., Leo et al., 2011)。しかし,視覚機能の下位経路であり,持続的で詳細な情報処理に関わる小細胞系および,一過性の情報処理に関わる大細胞系処理における詳しい聴覚的影響は分かっていない。目に見えない脅威を警告する聴覚系の役割を考えると,視野の外にある音は,一過性情報に敏感で運動に関与する大細胞系を促進する可能性がある。そこで本研究では,身体の前後から呈示された音がガボールパッチの方位検出に及ぼす影響を検討した。空間周波数の高低によって小細胞系と大細胞系の相対的寄与を操作した視覚刺激と同時に,課題無関係なホワイトノイズが,参加者の前後に設置されたスピーカーから呈示された。その結果,音による視覚パフォーマンス促進効果が,空間周波数によって異なることを示唆するデータを得た。次年度においては,同様の聴覚刺激が身体との位置関係によって異なる多感覚的影響を生じるメカニズムの解明を目的とした追加の検討を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
身体前後に音を呈示する実験において,前後誤判定といった音源定位の個人差が問題となり,音源定位能力を検討する追加の課題構築を行った。そのため当初の予定より遅れたが,計画していた研究を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度には,視覚情報処理における音の影響の研究を発展させるとともに,音と他の感覚情報との注意切り替えに関する研究を行う。また,本年度までの研究成果をまとめ,国内外の学会や論文での成果報告を行う。
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