Project/Area Number |
22KJ3043
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Project/Area Number (Other) |
22J00439 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
相馬 寿明 (2023) 龍谷大学, 先端理工学, 特別研究員(PD)
徐 寿明 (2022) 龍谷大学, 先端理工学, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 環境DNA / 環境RNA / アユ / 水産資源 / リアルタイムPCR / ゼブラフィッシュ / 生物多様性 |
Outline of Research at the Start |
環境DNA (魚などのマクロ生物から放出された生体外DNA) を用いた生物モニタリング技術によって、水棲生物の分布や量を迅速かつ効率的に推 定できるようになった。しかしながら、現行の環境DNA技術では集団の齢・体サイズ構成を推定することはできない。このことは本技術に基づ く生物量・個体数推定に潜在的なバイアスをもたらしており、個体群のサイズ構成や資源量の正確な推定における大きな障壁となっている。そ こで本申請研究は、環境DNA技術を用いた魚類の年級群・体サイズの推定技術を開発し、その集団構造を考慮したより正確かつ詳細な生物量推 定の実現に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
アユを半年間にわたって飼育し、その過程で水サンプルの採取および形態測定を定期的に行い、アユの成長に伴う環境DNAと環境RNAの放出量の変化をモニタリングした。DNAおよびRNA (cDNA) 濃度は、核およびミトコンドリア遺伝子マーカーを用いたリアルタイムPCRによってそれぞれ定量された。水槽内のアユの平均体長の増大に伴い、個体あたりの環境DNAおよび環境RNA放出量はいずれのマーカーでも増加したが、その増分は環境DNAよりも環境RNAの方で小さかった。これは、環境RNA濃度が体サイズ以外の様々な要因の影響を受けやすく、体サイズの変化を反映しにくいためであると考えられる。一方、アユの体サイズの増大に伴い、核に対するミトコンドリア環境DNAの相対量は有意に減少した。これは、本研究の着想当初の予測と一致しており、加齢に伴う細胞内ミトコンドリアDNAの損傷が生体外環境においてもある程度維持されていることを示唆している。また、環境DNAに対する環境RNAの相対量 (環境核酸比) もアユの体サイズと負に相関しており、これも加齢に伴う細胞内の代謝速度の減少を反映していると考えられる。これら結果から、異なるマーカーに由来する環境DNAと環境RNAの定量結果から、種によってはその生物量と平均体サイズの両方を同時に推測できる可能性が見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上述の通り、核に対するミトコンドリア環境DNA相対量の負の体サイズ依存性は、当初の予測と完全に一致した。また、申請時点では計画されていなかった環境RNA分析も同時に適用したことで、魚類の体サイズを反映しうる別の指標を発見することもできた。
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Strategy for Future Research Activity |
水槽実験で得られた環境DNAサンプルからのメチル化検出や環境RNAサンプルのメタトランスクリプトーム解析を試み、アユを含めた多様な魚類の加齢状況をより正確に推定するためのマーカーの開発に着手したい。また、滋賀県水産試験場が琵琶湖北湖で定期的に行うアユ資源調査に同行し、その季節的な分布パターンを環境DNA・RNAと計量魚探の間で比較する。上の水槽実験と同様に、異なるマーカーに由来する環境DNAと環境RNAの相対量を計算し、これら指標がアユの成長パターンをどの程度説明できるかを調べる。
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