Project/Area Number |
22KJ3065
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Project/Area Number (Other) |
22J14995 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
渡部 光 岡山理科大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ヘリセン / Mallory環化 / スルホン / π拡張 / 多官能基化 / スルホニル基 / 炭素-炭素結合形成 / パイ拡張 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、スルホニル基を脱着可能な配向基として利用した四置換オレフィンの一段階合成法の開発を目指し研究に取り組んだ結果、光照射条件下において三置換エテニルスルホンからヘリセン骨格を効率的に構築できることを新たに見出した。ニッケル触媒存在下、スルホニルヘリセンとグリニャール試薬とのクロスカップリング反応によりスルホニル基を効率よく変換可能であり、幅広いヘリセン誘導体を合成した。今年度では、スルホニル基の電子的特性や脱離基としての反応性を利用した有機合成反応の開発に取り組むと同時に、合成したヘリセン誘導体の光学特性の調査を行い、得られた研究成果を学術論文として発表することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ビススルホニル[n]ヘリセンを合成テンプレートに用いたスルホニル基の変換反応から様々な官能基化ヘリセンを効率よく合成できることを見出した。[n]ヘリセンを官能基化する際には、基質による反応性や選択性の制御が常に直面する課題であるが、ビススルホニル[n]ヘリセンをテンプレートに用いることでニッケル触媒とカルベン配位子存在下、グリニャール試薬を用いた熊田-玉尾-Corriuカップリングにより様々なアリール基やアルキル基を導入した官能基化ヘリセンを得ることに成功した。また、4-クロロフェニル基が置換した[6]ヘリセンについては単結晶X線構造解析により、生成物の帰属及び詳細な結晶構造を明らかにした。この反応を利用した応用を目的として2,15-ジブロモ-5,12-ジスルホニル[6]ヘリセンに対して4-ジフェニルアミノフェニルボロン酸を用いた鈴木カップリングによるブロモ基の変換及び4-トリフルオロメチルフェニルボロン酸を用いた熊田カップリングによるスルホニル基の逐次変換を通して、新規なドナーアクセプター型[6]ヘリセンの合成に展開した。一般的な[n]ヘリセンはその環数(n)が増加しても有効共役が拡張しないことや発光特性をほとんど示さないことが知られているが、本化合物は無置換[6]ヘリセンと比較して吸収及び蛍光スペクトルの長波長化及び比較的高い蛍光量子収率を示すことが明らかとなった。またジスルホニル[6]ヘリセンを用いた熊田カップリングによりスルホニル基を2-ビフェニリル基に変換し、続くScholl反応により高度に湾曲したπ拡張分子が得られることを見出した。なお本化合物は溶液中で可視光領域に比較的幅広い発光帯を有し、青白い発光を示した。現在はこれらの成果を取りまとめ、学術論文として発表することを計画している。
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