表面弾性波を用いた軌道流の生成と純軌道流によるオービトロニクスの開拓
Project/Area Number |
22KJ3114
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Project/Area Number (Other) |
22J00871 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 29010:Applied physical properties-related
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Research Institution | Tohoku University (2023) National Institute for Materials Science (2022) |
Principal Investigator |
小泉 洸生 東北大学, 先端スピントロニクス研究開発センター, 助教
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 磁気異方性 / 軌道角運動量 / 磁性 / スピントロニクス / 表面弾性波 |
Outline of Research at the Start |
低消費電力デバイスの開発に向け、スピン流に基づいたスピントロニクスが盛んに研究されている。それだけでなく、近年は軌道起動角運動量の流れである軌道流にも注目が集まっている。しかしながら、軌道流に関しては実験的な観測の難しさもあり未だに不明瞭な点が多い。そこで本研究では、力学的な歪を用いて軌道角運動量の流れ(軌道流)の生成し、軌道流を用いた新規オービトロニクス現象の探索を目的としている。軌道流の生成・制御手法が確立されると、磁性体を操作可能な新たな手法となることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでの表面弾性波を用いた研究では室温成膜により多結晶を作製していることがほとんどであったが、本研究の目的の1つである軌道角運動量と局所的な歪の関係を調べるためには、表面弾性波基板上に酸化物をエピタキシャル成長させた方が好ましいと考えられる。しかしながら、酸化物の作製プロセスは高温のものが多いため、表面弾性波基板であるLiNbO3上に直接作製しようとすると、基板のリチウムが拡散してしまい目的の結晶が得られないことが昨年度分かっていた。これを解決するために昨年度様々な緩衝層を試すことで見出した鉄系酸化物が有用であることを見出した。そこで本年度は、緩衝層上に軌道角運動量を有する酸化物磁性体の作製に取り組んだ。 まず、作製した緩衝層のポストアニール耐性を調べると、コバルトフェライトや軌道フェリ磁性体などの酸化物の成膜に必要な高温でも結晶構造を維持していたことから、作製した緩衝層は役割を果たしていると考えられる。次に、これまでにサファイア基板上で確立した成膜条件で緩衝層上に軌道フェリ磁性体の作製を試みたが、良質なエピタキシャル膜を得ることができなかった。結晶構造を調べると緩衝層は上部層作製後でも結晶構造を維持していたため、エピタキシャル膜が得られていないのは、緩衝層上への成膜条件の最適化ができていないためであると考えられる。 これまでの研究により、表面弾性波基板であるLiNbO3基板は、本研究のプロセスに用いることが容易でないことが分かった。そこで表面プラズモンを用いた、スピン・オービトロニクスへと方針を転換する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、表面弾性波を用いたひずみ印加を想定していた。しかしながら、表面弾性波基板であるLiNbO3が、本研究で想定しているプロセスに用いることが容易でないことが分かった。 そこで本年度からは、表面プラズモンを用いる手法へと方針を変えた。この手法では、表面弾性波に比べると印加されるひずみは小さいが、材料選択の幅が格段に広がることが期待できる。 また、近年表面プラズモンポラリトンによるスピン流生成の理論提案もなされており、これに対する軌道角運動量の寄与などに貢献が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年度に設計したレーザーによる表面プラズモン生成装置を用いて、様々な磁性体におけるスピン流生成効率を調べる。その中で、種々の磁性体を用いることで、結晶構造、結晶面、軌道角運動量の有無など様々なパラメータを変え、本現象における軌道流生成の可能性を検討する。 加えて、当初の計画であった表面弾性波基板であるLiNbO3上への軌道磁性体のエピタキシャル成長も継続して続け、その可能性を検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)