Project/Area Number |
22KJ3158
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Project/Area Number (Other) |
22J00546 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Keio University (2023) National Cancer Center Japan (2022) |
Principal Investigator |
額賀 重成 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | がんゲノム医療 / VUS / 複合変異 / 肺癌 |
Outline of Research at the Start |
現在、個々の遺伝子変化に基づくがんゲノム医療が進められており、がん遺伝子パネル検査により、遺伝子変化に基づいた治療が行われるようになった。しかし、検出される変異の多くはその病的意義が不明であり、有効な治療薬にたどりつける症例は約10%程度と限られている。本研究は実際のゲノム検査で検出される複数の遺伝子変異が複合する意義を実験とバイオインフォマティクス解析を用いて解明し、新規の治療標的の探索を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
現在、がんの薬物療法の分野では個々の遺伝子変化に基づくがんゲノム医療が進められており、がん遺伝子パネル検査の普及により、日常臨床でも遺伝子変化に基づいた治療が行われるようになった。しかし、検出される変異の大部分はその病的意義が不明であり、検査を行っても大多数が治療に結び付かない現状がある。本研究では実際のゲノム検査で検出される複数の遺伝子変異が複合する意義について検討するものである。がんの遺伝子変異は,ゲノム不安定性の結果生じた発がんに関与しないランダムな変異(パッセンジャー変異)と発がんに重要な役割を持つ変異(ドライバー変異)に大別される.有意な複合変異を選定するためにはドライバー変異同士の組み合わせから抽出することが必要である.近年,遺伝子変異を塩基配列まで分解し,パッセンジャー変異を起こしやすい塩基配列を統計学的に同定し,この情報をもとにドライバー変異を検出する試みが行われている.この手法を利用したプログラムであるOncodrive CLUSTL(Bioinformatics.2019;35(22):4788-4790.)およびMutPanning(Nat Genet. 2020;52(2):208-218)を用いて,所属研究室が保有する約1200例の肺癌コホート(PRISMコホート)の全エクソームシーケンス情報を用いて有意変異の抽出を行った.そして,抽出された変異遺伝子群の中から統計学的に有意に共存する複合変異の組み合わせを選定し、同変異を持つモデル細胞を樹立した。モデル細胞を用いたオミクス解析および実験的検証を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所属研究室が保有する大規模なゲノムデータベースおよび米国の公開データベースを利用し、統計学的有意に共存する遺伝子変異の抽出を行い、その意義を実験的に解明するためにモデル細胞の構築を行った。構築した実験材料を用い、複合変異によりもたらされるフェノタイプ変化について検討を進めており、これまで知られていなかった知見が明らかになりつつある。更に、遺伝子変異抽出の過程でこれまで機能があまり知られていない遺伝子の変異が、同複合変異と同様の機能を有することが明らかになり、並行して同変異の機能解析も進めており、新たな研究展開につながっている。
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Strategy for Future Research Activity |
大規模公開データおよび研究室の保有する独自のゲノム情報から新規の知見を明らかにし、実験による機能検証を進めている。慶應義塾大学医学部呼吸器内科に職を移行しており、同研究室の保有する100を超える肺癌オルガノイドライブラリーを利用した更なる機能検証を進めていく。共存する遺伝子変異を保有するヒト由来の実験材料は貴重であり、臨床検体からのオルガノイドライブラリー構築を並行して進めることで、更なる研究進展を見込む。
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