Project/Area Number |
22KJ3159
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Project/Area Number (Other) |
22J01640 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 56030:Urology-related
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
尾張 拓也 国立研究開発法人国立がん研究センター, 国立研究開発法人国立がん研究センター 先端医療開発センター 免疫TR分野, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 膀胱がん / がん免疫療法耐性 / 免疫逃避 / BBN誘導膀胱がん / 同所性マウスモデル / BBN / 自然発がん / 免疫チェックポイント阻害剤 / 遺伝子発現解析 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、N-Butyl-N-(4- hydroxybutyl)nitrosamine (BBN)投与で誘導される膀胱がん自然発がんマウスモデルならびに悪性度の異なる膀胱がん手術検体、免疫チェックポイント阻害剤を使用した膀胱がん手術検体を用いて、フローサイトメトリーによる腫瘍浸潤リンパ球、RNAシークエンスによる遺伝子発現の評価、および免疫染色による腫瘍微小環境の評価を行い、それらの結果を統合解析することにより、膀胱がんの発がん・悪性化過程におけるがん免疫療法に対する耐性獲得機序を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヒト膀胱がん手術検体ならびに N-Butyl-N-(4- hydroxybutyl)nitrosamine (BBN)誘導膀胱がんマウスモデルを用い、膀胱がんの発がん・悪性化過程における免疫療法に対する耐性獲得機序を解明することを目的とし、研究を遂行する。初年度において、BBN誘導マウス膀胱がん自然発がんモデルを用いた膀胱がん発がん・悪性化過程における遺伝子変異・遺伝子発現変化の詳細な解析を行い、同モデルがヒト進行性膀胱がんと遺伝子変異が極めて類似しており、BBNの長期投与により悪性度の高いとされるBasal-Squamous subtype 膀胱がんを形成することを確認した。さらに、進行過程において発現が上昇する特有の遺伝子発現異常が免疫チェックポイント阻害剤耐性獲得に関連することを明らかにした。ヒト膀胱がん手術検体において、同定した遺伝子発現異常が腫瘍免疫微小環境に与える影響を多重免疫染色による解析を行い、同定した遺伝子高発現腫瘍では腫瘍中心部に CD8陽性 T細胞の浸潤が抑制される “Immune excluded phenotype” を示すことを同定した。本研究で得られた成果により、膀胱がんの進行の抑制および免疫チェックポイント阻害剤耐性の克服を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、RNAシークエンスおよび whole exome シークエンスにより、BBNを 16週以上投与により予後不良かつ免疫療法に対する奏効率が低いとされる Basal-Squamous subtype 膀胱腫瘍を発がんすることを明らかにした。また、BBNを長期投与した自然発がんモデルにおける免疫療法耐性に関与する遺伝子発現異常と共通する遺伝子をヒト膀胱がんにおける抗 PD-L1 抗体抵抗性に寄与する遺伝子の探索し、TIMP1発現異常に着目した。ヒト膀胱がん手術検体を用いた多重免疫染色により、TIMP1 高発現Basal-Squamous subtype 膀胱腫瘍では、腫瘍中心部に CD8陽性 T細胞の浸潤が抑制される “Immune excluded phenotype” を示すことを明らかにした。さらに、TIMP1 強制発現膀胱がん細胞株の樹立のうえ、マウス膀胱内へ直接注入することによる同所性マウスモデルを作製した。同モデルにおいても、強制発現膀胱腫瘍では 抗PD-1抗体治療抵抗性を認め、CD8陽性 T細胞の腫瘍内への浸潤の抑制および cancer-associated fibroblast の浸潤の亢進を確認した。これまでに、膀胱がんにおける免疫逃避、免疫療法耐性獲得に関与する特有の遺伝子発現異常および耐性機序を解明できたため本研究は概ね順調に進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究において得られた膀胱がんにおける免疫逃避、免疫療法耐性獲得に関与が示唆される TIMP1発現異常腫瘍が“Immune excluded phenotype”を示す機序の解明を行う。BBN投与間隔の異なる個体の膀胱腫瘍を用いて、シングルセル RNAシークエンスにより膀胱がん進行過程における TIMP1発現細胞の経時的変化を明らかにする。また、stageの異なるヒト膀胱がん手術検体を用いたシングルセル RNAシークエンスも並行して解析を行い、膀胱がん進行に TIMP1が与える影響を解明する。
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