Project/Area Number |
22KJ3170
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Project/Area Number (Other) |
19J40062 (2019-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2019-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 17050:Biogeosciences-related
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
山下 桃 (2019-2021, 2023) 独立行政法人国立科学博物館, 標本資料センター, 特別研究員(RPD)
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Research Fellow |
山下 桃 (2022) 独立行政法人国立科学博物館, 標本資料センター, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2023-06-29 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥444,253 (Direct Cost: ¥341,733、Indirect Cost: ¥102,520)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 現生爬虫類 / 鞏膜輪 / 形態変化 / 爬虫類 / 生活様式 / 水中視 / 暗所視 / 陸上視 |
Outline of Research at the Start |
現生トカゲ類は,地表生に加え地中生・樹上生などの生息域の多様性,夜行性・昼行性のような活動時間の多様性など,それぞれの生活様式を持つ多様な種に分化している.その多様な生活様式に合わせて,利用する感覚が異なることが知られている.ヤモリ類のように視覚に頼る分類群は大きな眼を持つ.つまり,生活様式に合わせて,重要な感覚器官が異なり,その感覚器を発達させているはずである.同じ系統内に属する分類群において生活様式が異なるものを比較し,感覚器官の大きさが生活様式によって異なるかを見ることによって,感覚器が生活様式によってどのように変化するのか,もしくは系統的制約がはたらくのかを明らかにすることができる.
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Outline of Annual Research Achievements |
感覚受容体の一つである眼について,鳥類を含む爬虫類(ワニ類やヘビ類を除く)の眼球の中には,鞏膜輪と呼ばれる輪状の骨組織が存在する.鞏膜輪は,化石としても残り得る眼の中の唯一の骨組織であり,化石爬虫類の生活様式を探るための有力なツールとして注目されている.本研究では異なる分類群間 (トカゲ類,カメ類,鳥類)において,それぞれの生活環境に適応していく中で,鞏膜輪にどのような形態変化が起こっているのかを明らかにすることを目的としている これまでに56種のトカゲ類, 24種のカメ類, 60種の鳥類について,鞏膜輪の3次元データを取得し,鞏膜輪を構成する鞏膜骨の断面形態および鞏膜輪全体の形態の計測を行い,分類群間で比較した.鞏膜輪を構成する鞏膜骨の形態には,それぞれの分類群間で系統的制約が強く働いていること,鞏膜輪全体の形態については暗所視や水中視など特定の環境下で利用される眼については,分類群をまたいで同じような形態変化が起こっていることが示された.生息環境による眼の形態変化の影響が鞏膜輪の形態においても強く反映されていることが考えられる. さらに詳細な形態解析を試みるため,2023年度は,The Australian National UniversityのNational Computational InfrastructureにてCT画像の3D解析手法の技術を学ぶことを目的に渡豪した.National Computational Infrastructureでは,CTの3Dセグメンテーションソフトの開発が行われている.今後,本ソフトの使用方法やプログラミング技術を学び,解析プログラムをカスタマイズして実際にこれまで撮影してきた標本について3次元形態の構築と解析を行い,より定量的な形態観察と比較が行えるようになると期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は,出産・育児のための採用中断があったため,研究期間は2ヶ月のみであり,また,3Dセグメンテーションソフトの技術取得のための渡豪に際し,研究環境を整えるための期間を要したため,研究の進捗は予定より遅れている.しかし,この渡豪の目的であるセグメンテーションソフトを使用することができるようになることで,今後の形態観察や形態解析を効率的に進めることができると考えられる.また,他大学機関の研究者と共同研究を行い,形態観察や形態解析の議論を進めてきた.今後はこのような研究者との議論をもとに多岐に渡る分類群の知見を含めた議論を展開していくことができると期待される.
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Strategy for Future Research Activity |
今後はThe Australian National UniversityのNational Computational InfrastructureにてCT画像のセグメンテーション手法の技術を学び,これまで撮影してきた標本について3次元形態の構築と解析を行い,より定量的な形態観察及び分類群間比較をしていく予定である.今後はトカゲ類に焦点を当て,視覚・聴覚・嗅覚に関する神経系の復元指標の構築と生活様式との関係性を明らかにしていく.神経孔のサイズについては,現生トカゲ類の液浸標本の頭部のCTスキャンによって得られた形態データから画像解析ソフト を用いて孔の3次元構築を行い,視覚・嗅覚・聴覚に関わるそれぞれの孔の径や感覚器官の大きさを計測する.各神経孔や各感覚器官の大きさと生息環境を比較して,関係性の有無を明らかにする.トカゲ類の5系統すべて(ヤモリ類,スキンク類, カナヘビ類,オオトカゲ類,イグアナ類)を網羅して,生活様式について,異なる活動時間,生息環境,採餌様式の種を含めたデータの収集を行い,さらに潜水行動や滑空行動のような行動様式も含め,それぞれの生活様式と各感覚器との関係性について比較できるようにする.
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