Project/Area Number |
22KJ3222
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Project/Area Number (Other) |
22J12896 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 23020:Architectural environment and building equipment-related
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
奈良 玲伊 お茶の水女子大学, 生活科学部, 学部教育研究協力員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 介護施設 / 高齢者 / 環境実測 / 生理量計測 / 温熱環境 / 光環境 / 季節変動 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、高齢化の進展に伴い急増している認知症高齢者の行動・心理症状をはじめとする各種症状と、認知症高齢者の生活空間の光・温熱環境の関連を明らかにすることを目的としている。具体的には、介護施設における通年の環境実測と生理・心理データ実測、被験者の生活記録データの収集を行ない、生活空間の光・温熱環境が認知症高齢者の各種症状に与える影響を定量的・定性的に分析し、認知症高齢者にとって最適な住環境を模索する。本研究で得られた知見は、認知症高齢者とその介護者双方にとって快適で安心安全な施設・住宅環境設計の指針のひとつとなることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である本年度においては、前年度までの期間で収集したデータを用いた論文執筆と新たな対象施設における実測調査を主に実施した。 論文に関しては、査読論文と学会発表梗概の執筆を行なった。査読論文では、介護施設における転倒・転落事故の発生に関する季節ごとの特徴を主なテーマとし、介護施設のヒヤリハット記録と実測データを組み合わせた分析を実施した。結果として、高齢者の転倒・転落事故は冬に発生しやすく、春に少ない傾向にあることが示唆された。その知見の有用性が認められて査読論文として日本建築学会誌に掲載された。学会発表梗概では、上述のテキスト記録を用いて、居室と共用部それぞれにおける転倒・転落の特徴をテキストマイニングにより抽出した。 また、実測調査においては前年度に新型コロナウイルスの影響で一部の期間のデータが欠損してしまったことを踏まえ、再度新たな施設での実測調査および定期的なインタビュー調査を行なっており、適宜データ整理・分析を実施した。その研究成果に関しては、今後学会および論文誌に報告する予定である。 研究期間全体を通しては、介護施設において記録された転倒・転落に関するテキストデータ、施設内外の環境実測データ、および施設入居高齢者の生理量計測データを組み合わせた分析手法の確立とそれらの関係性を明らかにすることに取り組んだ。既往研究においては、定量的な環境データとテキスト等の定性データを組み合わせて分析を行なった事例はほとんどなかったため、それらを用いた分析によって転倒・転落発生の季節別の特徴を示したことは今後の介護施設の環境改善および事故防止に向けて非常に有用な知見となったと考える。
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