Project/Area Number |
22KK0115
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (B))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 49:Pathology, infection/immunology, and related fields
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
高松 由基 長崎大学, 熱帯医学研究所, 准教授 (00750407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 岳志 京都大学, 医生物学研究所, 教授 (00422410)
BALINGIT Jean・Claude・Palma 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (40968723)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥20,150,000 (Direct Cost: ¥15,500,000、Indirect Cost: ¥4,650,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
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Keywords | エボラウイルス / マールブルクウイルス / ヌクレオカプシド / ヌクレオカプシド様構造 / 微細構造解析 / 動態解析 / クライオ電子顕微鏡 / ライブセルイメージング / ライブセルイメージ顕微鏡 / BSL-4 / フィロウイルス / ヌクレオカプシド形成 / ヌクレオカプシド輸送 / ライブセルイメージンング |
Outline of Research at the Start |
エボラウイルスとマールブルグウイルスに代表されるフィロウイルスは、一類感染症に属しBSL-4に分類される。治療法は確立しておらず、出血熱症状と高い致死率を示す最も重要な新興感染症の一つである。我々は、これまで10年以上にわたりドイツ国フィリップ大学と共同研究を行なっており、複製機序や構造解析に関わる先駆的な研究を進めてきた。しかし、ウイルス遺伝子の転写・複製を制御するヌクレオカプシドの形成・輸送における分子機構は解明されていない。そこで我々は、ドイツ国のBSL-4施設で感染性ウイルス検体を用いて、高分解能顕微鏡解析と分子機構機構解析を行い、新たな抗ウイルス薬開発の基盤構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
エボラウイルス(EBOV)とマールブルグウイルス(MARV)に代表されるフィロウイルスは、一類感染症に属しバイオセーフティレベル-4(BSL-4)に分類されるため、物理的な封じ込め設備及び機器が必要である。治療法は確立しておらず、重篤な出血熱症状と高い致死率を示す最も重要な新興感染症の一つである。そこで我々はドイツ国のBSL-4研究グループと共同して、フィロウイルスの形成機序(ヌクレオカプシド:NCの形成・輸送過程を含む)を分子レベルで解明することで、ウイルス複製阻害薬開発に貢献したいと考えた。本国際共同研究グループは、これまで10年以上にわたる共同研究の歴史があり、その中で、フィロウイルスの複製機序や構造解析に関わる先駆的な研究成果を輩出してきた。この研究を更に発展させるべく、本研究ではi) 前駆研究で構築したウイルスタンパク質複合体に対する高分解能顕微鏡解析、ii) ドイツ国のBSL-4施設で行う感染性ウイルス検体を用いた解析 の二つのプロジェクトに取り組み、これまで解かれていないNCの形成機構を近原子分解能で解明することを目指す。 本年度は分担研究者である京都大学野田先生との共同研究を行いNCの微細構造解析を進めた。具体的には、ウイルス様粒子をクライオ電子顕微鏡単粒子解析を行い、NPのC末端領域とVP24タンパク質の相互作用領域を同定することに成功した(Fujita-Fujiharu, Hu, et al. 2024)。またNC動態解析については、EBOVとMARVの相同性に着目し、VP30が互換性を有すること、およびVP30とNCの相互作用部位を同定した。これらの研究成果を共有し、共同研究を更に進展させるために、マールブルクで国際シンポジウムを本研究グループで主催した。約20演題の先進の研究発表と60人以上の参加者を得て、大変有意義なものになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者は前駆研究でEBOVのNCLS形成・輸送機構が、タンパク質発現系を用いた非感染性ライブセルイメージンングシステムで再現できることを示した。このシステムを用いてヌクレオカプシド様構造(NCLS)の形成・輸送は、3つのウイルスタンパク質(NP, VP24, VP35)で制御されることを解明した。EBOVとMARVのNCLS形成タンパク質の相同性を解析し、VP30が二つのウイルス間で互換性があることがわかった。さらにVP30とNCLSの結合を制御するNPモチーフを同定することに成功した。このモチーフはEBOV特異的に転写・複製機能を制御することがレポーターアッセイにより明らかになった。このモチーフに変異を加えることで、NC形成、NC輸送の他に転写・複製機能が著しく減弱することがわかった。現在、NCLS形成タンパク質間の相互作用を生化学的手法で解析中である。これらの成果は次年度中に学術論文としてまとめる予定である。 構造解析については、クライオ電子顕微鏡単粒子解析法を用いて、ウイルス様粒子内のヌクレオキャプシド様構造を4.6オングストロームの分解能で決定した。さらに変異体解析により、2つのNPと2つのVP24の間の特異的な相互作用が同定され、2つのVP24がそれぞれ異なる向きでNCの組み立て、ウイルスRNA合成、細胞内輸送を制御していることが明らかになった。これらの研究成果は既に学術論文として国際雑誌に投稿しており、現在査読中である。 以上のように、構造解析・動態解析についてある程度の進捗を認めたため。
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Strategy for Future Research Activity |
NCはウイルスRNA複製の足場であり、その構造を理解することは抗ウイルス薬開発に直接的に貢献することが期待される。これまでは主に生化学的なアプローチで、単独タンパク質レベルおよび単独タンパク質間の相互作用に関する研究が進められてきた。一方でフィロウイルスNC複合体の構造解析については研究が進んでおらず、微細構造やタンパク質間相互作用については不明な点が多い。本研究では、本邦では行うことができないウイルス検体を用いた構造・分子機構解析に、構造解析・動態解析のスペシャリストが挑む。本邦でウイルス様粒子およびNC様構造を用いて、基礎情報を得るとともに実験条件を最適化し、ドイツ国でウイルス粒子を用いた構造解析に応用する。 次年度はNCLSの形成・輸送を担うペプチドモチーフについて、NPタンパク質とVP35タンパク質の欠損変異体と点変異体を用いて、詳細に解析を進める。構築した各変異体の転写・複製機能を評価するためにミニゲノムアッセイ法(レプリコンにレポーター遺伝子を導入することで転写・複製活性を評価する)を用いる。さらにNCLSタンパク質の組み合わせについて、各タンパク質の細胞内局在を蛍光抗体法で、タンパク質間の相互作用を免疫沈降法で評価する。 国際共同研究としては、当研究室及び野田研究室で日程調整し渡独し、Becker研究室におけるウイルス検体を用いた共同研究を進める。具体的には、Becker研究室で申請者が解明するNCLS形成・輸送を制御する変異を導入した組換えウイルスを構築し、ウイルスの性状解析を行う。また本年度から当研究室に配属となった胡助教はNC構造解析のスペシャリストである。胡助教はリョビュウイルス(LLOV)のNC形成を制御する分子機構の解明を進めてきた。そこで、LLOVとEBOVの共通性に着目し、NC形成タンパク質間の相互作用解析をさらに進めてもらう方針である。
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