臨床群を対象とした心的視点取得の個人内メカニズムの解明と促進方法の開発
Project/Area Number |
22KK0223
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10010:Social psychology-related
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Research Institution | Kyoto University of Advanced Science |
Principal Investigator |
神原 歩 京都先端科学大学, 人文学部, 准教授 (30726104)
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Project Period (FY) |
2023 – 2025
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
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Keywords | Egocentrism / Objectivity / Perspective taking / Bias blind spot / perspective taking / egocentrism / embodied cognition / visual illusion |
Outline of Research at the Start |
心的視点取得とは,相手の立場に立って相手の気持ちを考えることであり,その社会的重要性が叫ばれてきた。しかし,心的視点取得時に人が頭の中で何をしているのかという,そのプロセスや構成要素が未解明であったため,その効果的な促進方法が開発されなかった。そこで基課題は,健常群を対象とし,心的視点取得過程の構成要素の解明と,構成要素への介入による促進方法の開発を行なってきた。ただし,心的視点取得の不得手さゆえに社会不適応に陥りやすいのは,臨床群である。本国際共同研究では,認知障害の克服テクニックの開発に力を注いできたDr.Rossetti氏と共同することで,臨床群に有効な心的視点取得促進方法を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題は心的視点取得過程の構成要素を確認し、その促進方法を開発することを目的とする。現在、心的視点取得には,自己視点への固執からの脱却する過程と、相手の視点を獲得するために相手視点に移動する過程の2つの過程の存在を仮定されている。
そこでまず2023年度は人が自分の視点への固執を脱却する方法についてプリンストン大学のDr.Pronin氏のもと議論を行った。 その結果として2つの研究アイディアが生まれ、現在準備中である。1つは、”客観的でいよう”とする努力が、本当にその人の客観性を増すのか”についての検討である。先行研究では、法医学者など、世の中に影響を与える社会判断を任されている人が、「自分は”客観的に判断しようとしている”から、自分は”客観的な判断をしているに違いない”」と信じていることが示されている。ただし、これまでの社会的バイアスの知見を概観すると、客観的に判断しようという漠然とした努力が、客観的な判断を導いているのかについては大いに疑いの余地がある。本実験は現在、倫理審査の申請中であり、今年度中にオンライン実験を実施する予定である。
もう1つは、上記のように自分の判断の客観性に過信をしているに対し、自分の判断が客観的でない可能性があることをどのように気づかせることができるのか、についての検討である。本研究では、実験刺激として”Selective attention test”を用い、「自分が世の中を選択的に見ている(つまり、全てを認識できているわけではない)」という事実に直面させることにより、自身の社会判断の非客観性に気づくかにについて実験的検討を行う。プリンストン大学と日本の幾つかの大学で倫理審査の承認をとり、現在、予備実験をおこなっているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
この半年の研究期間中に、Dr Pronin氏も申請者本人も、肺炎に引き続き、コロナに罹患するという事態が発生しため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年4月からRossetti氏との共同研究も並行して行うためマンパワーが足りず、それほど早いスピードで進めることは期待できない。したがって、上述した研究をある程度のスピードをもって進めるためには、日本の共同研究者の力を借りてマンパワーを増やしながら進める所存である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)