Project/Area Number |
22KK0232
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
小池 貴之 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (30784706)
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Project Period (FY) |
2023 – 2025
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥9,880,000 (Direct Cost: ¥7,600,000、Indirect Cost: ¥2,280,000)
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Keywords | 半正直線束 / q-多重劣調和関数 / 正則葉層構造 |
Outline of Research at the Start |
本研究では, 複素多様体の複素解析幾何学的構造の解明を目標とする. 私は, 複素多様体Xの構造を, X上の直線束と呼ばれる幾何学的対象に着目し調べるという立場をとる. X上の種々の直線束に注目した研究, 特にその正値性に着目した研究の本質性・有効性については, 複素解析学・微分幾何学・関数解析学それぞれの側面からの先行研究の示唆するものである. 本研究では, 私のこれまでの研究に於ける複素葉層構造に関する技法とPawlaschyk氏によるq-多重劣調和関数についての技法とを組み合わせることで, 未解明な点が多い"中間的な"正値性を持つ正則直線束の研究を推進する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では, 複素解析学及び複素微分幾何学に於いて基本的かつ本質的な研究対象である複素多様体を扱う. これら両分野の観点から同時に複素多様体の研究を推進するにあたり必要となる基礎的なすり合わせを今年度は(実際の渡航前の下準備として)共同研究者のPawlaschyk氏との定期的なオンライン会議により推進した. Pawlaschyk氏は二分野の内, 複素解析学的な側面からの研究を担当することとなる. 特に氏のq-多重劣調和関数に関するこれまでの研究成果について学び取り, また私のこれまでの複素微分幾何学的研究成果と組み合わせるにあたり, 基礎知識及び問題意識のの共有や大枠の調整・両分野間での異なる用語の間の関係の精査は, 実際の渡航前からも可能であると考えた. そこで氏との定期的なオンライン会議によりこれらの打ち合わせを行ったものである. 具体的には, 氏からq-多重劣調和関数に関する基礎的な知識を学び取り, 関連研究の動向の概要について聞くことができた. 自分からはそれらの用語の複素微分幾何学的言い換え・解釈について適宜提案する形で議論を推進し, また研複素多様体上の直線束についての小平の埋め込み定理を中心とした当該分野の関連知識の概要についての伝達を行った. さらには来年度私が日本(京都・大阪)にて開催を計画している国際研究集会 (静岡大学の足立真訓氏・コートダジュール大学のLaurent Stolovitch氏との共同開催) のテーマ及び計画を氏と共有したことをきっかけに, 氏が来年度それにあわせヴッパータール大学側資金にて日本に短期滞在し多少の議論を直接対面にて行う計画が持ち上がった. 併せてヴッパータール大学の関連研究者も日本渡航を検討開始したとのことであり, この意味で今年度のオンライン打ち合わせにより, 私の所属大学及び滞在先大学双方の国際的・学際的研究協力体制の構築に大きな足掛かりが築けたものと自負している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は未だ自身のヴッパータール大学渡航前の段階であるが, オンライン会議によりその下準備を計画通り進めることができた. それだけではなく, 「研究実績の概要」の項目にて先述の通り, その打ち合わせ中に私から共同研究者のPawlaschyk氏に, 来年度私が日本(京都・大阪)にて開催を計画している国際研究集会 (静岡大学の足立真訓氏・コートダジュール大学のLaurent Stolovitch氏との共同開催) のテーマ及び計画を氏と共有したことをきっかけに, 氏が来年度それにあわせヴッパータール大学側資金にて日本に短期滞在し多少の議論を直接対面にて行う計画が持ち上がった. また, 併せてヴッパータール大学の関連研究者も日本渡航を検討開始したとのことであり, この意味で今年度のオンライン打ち合わせにより, 私の所属大学及び滞在先大学双方の国際的・学際的研究協力体制の構築に大きな足掛かりが築けたもことについても先述の通りである. 以上は当初の計画時には想定していなかった大きな成果である.
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Strategy for Future Research Activity |
共同研究者のPawlaschyk氏とは, 自身の渡航開始まで引き続き定期的なオンライン会議にて下準備を地道に進めてゆくことで同意がとれている. また来年度には先述の通り日本(京都・大阪)にて国際研究集会の開催を計画しており (静岡大学の足立真訓氏・コートダジュール大学のLaurent Stolovitch氏との共同開催), そこにはPawlaschyk氏及びヴッパータール大学の関連研究者も(先方資金にて)短期滞在する形で参加する計画で現在調整中である. これら機会を積極的に活かしつつ渡航までに十全な準備を整え, 当初の計画以上の進度での研究計画推進を目指す.
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