Project/Area Number |
22KK0268
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (Fostering Joint International Research (A))
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
村上 幸祐 近畿大学, 医学部, 講師 (60734671)
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Project Period (FY) |
2023 – 2024
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥15,470,000 (Direct Cost: ¥11,900,000、Indirect Cost: ¥3,570,000)
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Keywords | 卵巣がん / 高異型度漿液性がん / 腫瘍免疫 / PVRL2 / マクロファージ / PVRIG / PVR |
Outline of Research at the Start |
進行・再発卵巣がんは予後不良であり、新たな治療戦略の開発が必要である。近年、卵巣がんに対する免疫療法の臨床試験により、有効性が非常に期待できる群が存在することが示されている。基課題では、卵巣明細胞がんに着目し、 ヒト臨床サンプルやデータの解析と、マウスモデルを用いた生体内での免疫応答の研究を進めていたが、 その過程で卵巣がんの病理組織型ごとの腫瘍免疫の相違、および免疫チェックポイント経路であるPVRL2/PVRIG経路やPVR/TIGIT経路の発現を見出した。本研究では、これらの経路が卵巣がんに対する免疫療法の新たな標的となる可能性を探索し、個別化した臨床応用を目指すことを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
DNAM1axisを構成するPVRL2は、接着因子であるネクチンファミリーの一員であり、卵巣がんの腫瘍細胞や免疫細胞に幅広く発現していることが知られており、腫瘍細胞への発現が予後と関係することが報告されていたが、免疫細胞への発現が果たす役割や意義については知られていなかった。我々は、ヒト卵巣高異型度漿液性がん中の免疫細胞のシングルセルトランスクリプトーム・タンパク発現解析を行い、PVRL2が免疫細胞の中ではマクロファージに特異的に発現していること、さらにマクロファージのPVRL2のダウンレギュレーションが、マクロファージの抗腫瘍極性をもたらし、予後と関係しうる可能性を見出した。また、免疫組織化学を用いた空間的解析により、PVRL2高発現マクロファージが、腫瘍領域、特に化学療法後に残存する抵抗性の強い領域に集積することを見出した。また、マクロファージのPVRL2発現により、マクロファージがどのように機能するか、PVRL2欠損マウスを用いた卵巣高異型度漿液性がんモデルを使用して検証した。PVRL2欠損マクロファージは、腫瘍細胞に対して高い貪食能をもち、細胞障害性リンパ球の誘導をもたらしうる炎症性サイトカイン・ケモカインの分泌が亢進していた。PVRL2欠損マウスは野生型マウスに比べて有意に予後が延長したが、一方でマクロファージのdepletionにより予後延長効果は打ち消された。興味深いことに、細胞障害性リンパ球のdepletionでは予後延長効果は打ち消されず、免疫チェックポイント阻害薬の効果も認めなかった。また、腫瘍や腹水中の免疫細胞のシングルセルトランスクリプトーム・タンパク発現解析では、ヒトのデータと同様にPVRL2欠損がマクロファージの抗腫瘍極性をもたらしていたが、一方でT細胞活性には影響がなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ここまでのヒトおよびマウスの実験からは、非常に興味深いデータが得られており、リバーストランスレーショナルリサーチとして、概ね順調に進展している。本研究の進展は国内のみでは到底不可能であり、国際共同研究の意義が十二分に得られていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、データをまとめ、論文化に向けて準備を進める。また、卵巣がんの腫瘍浸潤マクロファージの極性変化を治療に結びつけることを考えていく。
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