海馬シナプス可塑性を誘導する内因性メカニズムに関する生理心理学的研究
Project/Area Number |
23730708
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Experimental psychology
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
鈴木 江津子 上智大学, 総合人間科学部, 研究員 (60424313)
|
Project Period (FY) |
2011
|
Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2012: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2011: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
|
Keywords | 海馬 / シナプス可塑性 / アセチルコリン / カリウムイオンチャネル |
Research Abstract |
記憶の生理学的基礎と考えられている海馬長期増強は、生体内ではあまり見られない高頻度な電気刺激をシナプ部に与えることにより誘導されることが多く、内在性の誘導メカニズムは明確ではない。本研究では、内在性の長期増強誘導メカニズムとしてのアセチルコリン受容体およびカリウムイオンチャネルの可能性を検討することを目的とした。 ラット海馬スライス標本を用い、内在性のアセチルコリン放出による海馬長期増強調節作用メカニズムについて検討した。海馬CA1への海馬内入力線維であるシャファー側枝に対し、高頻度刺激を与える30秒前に中隔からのアセチルコリン入力線維のあるCA1上昇層に対し電気刺激を行うことにより、高頻度刺激によるCA1長期増強の程度が有意に増加することが確認された。この長期増強の増大は、ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)阻害薬投与により阻害された。一方で、Kv7/M型カリウムイオンチャネル阻害薬を、mAChR阻害薬と同時投与することにより、上昇層刺激による高頻度刺激誘導性長期増強の増大が認められた。また、Kv7/M型カリウムイオンチャネル阻害下では、上昇層への先行刺激なしに、高頻度刺激のみでも長期増強の程度が増大した。カリウムイオンチャネルの不活性化は細胞膜の脱分極を引き起こすことから、膜電位依存性カルシウムイオンチャネル活性化により細胞内にカルシウムイオンが流入し、長期増強増大が生じている可能性を検討するため、T/R型カルシウムイオンチャネル阻害薬を投与したところ、上昇層刺激による高頻度刺激誘導性長期増強増大が阻害された。 このことから、内在性アセチルコリン放出による長期増強増大には、mAChR活性化およびKv7/M型カリウムイオンチャネル不活性化とそれに伴う膜電位依存性カルシウムイオンチャネル活性化が関与していることが示された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)
-
-
[Journal Article] The facilitative effects of bilobalide, a unique constituent of Ginkgo biloba, on synaptic transmission and plasticity in hippocampal subfields2011
Author(s)
Suzuki, E., Sato, M., Takezawa, R., Suzuki, E., Sato, M., Takezawa, R., Usuki, T. & Okada, T
-
Journal Title
Journal of Physiological Sciences
Volume: 61
Issue: 5
Pages: 421-427
DOI
NAID
Related Report
Peer Reviewed
-
-
-
-
-