Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
平成23年度計画で計画したとおり、消化管関管腔内への定圧炭酸ガス送気が下流腸管へ与える影響の解明を行った。1.申請者らのグループが株式会社トップと共同開発したオーバーチューブ(試作品)を留置し、胃内定圧送気を行った。送気はUHI-3(オリンパスメディカルシステムズ社)を接続し、送気圧:8mmHg、流量:35L/minとし30分間、送気を行った。消化管管腔圧はデジタルマノメトリ(MT210F:横河電機社)を用い、胃・十二指腸・上部小腸・下部小腸の4点で測定した。測定圧は解析ソフトW32-MT210-R(システムハウスサンライズ社)を用いて解析した。送気中、呼吸、循環動態を記録するとともに、カプノメトリ(日本光電社)を用いてEtCO2測定、iSTAT(アボット社)を用いて血液ガス検査を行った。また実験終了時に開腹し、下流腸管の拡張の程度を確認し、腸管の過膨張など送気に関連する問題点がないかを確認した。2.3種混合ブタ(LWD)、35Kg前後、約3ヶ月齢を用い、人工呼吸管理下のブタ5頭(A群)に対して送気実験を行った。3.全例で送気実験を安全に完遂できた。送気中の高炭酸ガス血症を含む有害事象は認めなかった。総送気量も0.8-1.3Lと少量あった。胃内圧は送気後、4秒前後で設定圧に達し、以後安定して推移した。十二指腸圧は5分前後で胃内圧と等圧になり、以後安定して推移した。上部小腸、下部少量の圧上昇は認めなかった。送気実験終了後、開腹し下流腸管の拡張を確認したが、上部空腸以下の腸管の拡張は認めず、送気に伴い下流腸管の過膨張は生じないことが確認された。4.実験計画ではawakeのブタ(B群)についても送気実験を行う予定であったが、食道、気管の径、ブタの体格の問題からawakeのブタで同様の実験をするのは技術的に困難と判断されたため、断念した。5.倫理委員会の承認が得られたため、平成24年度の計画の消化管管腔内への定圧送気時の至適設定圧の決定の研究を前倒しで開始し、現在データを収集中である。
All 2011
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