プーシキン散文における機能動詞の文体的価値―カラムジン散文と比較して
Project/Area Number |
23903006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
外国語・外国文学
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Research Institution | Shikoku Gakuin University |
Principal Investigator |
金子 えつこ 四国学院大学, 総合教育研究センター, 非常勤講師
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | プーシキン / 文体 / 軽さ |
Research Abstract |
プーシキン(1799-1837)の文体をロシア語近代語の成立という観点から分析している申請者は、プーシキンの散文におけるガリシズム、すなわちロシア語へのフランス語の影響について研究し、またプーシキンの散文における韻律性についても分析した上で、それらの散文における動詞の割合の高さ、完了体の含有率の高さ、一文の短縮傾向などにより生じる文体の「軽さ」についての理論化を試みてきた。その結果、存在がほぼ自明であるにもかかわらず定義のし難い「軽さ」というプーシキンの文体特性について分析する必要を見出した。そのため、近代文学言語の成立期における言語変化という潮流を視野に入れつつ、具体的な言語現象を同時代人カラムジンの文体と比較照合すことによってこれを精密に解析することを目指した。つまり、「文体特徴」はあくまで比較概念であるため、カラムジンをいわば物差しとして、両者の比較を通じて共通項としてガリシズムが出てくるか来ないかを明確にし、軽快さの根源にある言語特性を析出するということであった。カラムジンは、プーシキンと結果的に方向性は異なったが、プーシキン同様ロシア文章語の改革を目指した。彼の『あわれなリーザ』『ロシア人旅行者の手紙』における動詞〓の機能動詞化は著しく、「軽さ」を伴う独自の用法を持つことが確認された。また機能動詞とともに用いられやすい語彙、すなわち、単語のコロケーションについても分析した結果、西欧からの翻訳借入語や西欧文化の影響下で多用されるようになった思想感情表出に関わる語彙との距離に特徴が指摘された。この用法は統語レベルのガリシズムの一つとしても位置づけられるため、avoirおよびその熟語との相関も検討し、同様に〓の分析においてフランス語のfaireおよびその熟語との相関も検討した。「軽さ」という概念は近代語成立期の研究に関する新しい鍵となることが確認された。
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Report
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Research Products
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