琉球列島における後期更新世末から完新世にかけての動物化石の調査
Project/Area Number |
23905004
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
地理学・文化人類学・地域研究
|
Research Institution | 沖縄県立博物館・美術館 |
Principal Investigator |
藤田 祐樹 沖縄県立博物館・美術館, 主任
|
Project Period (FY) |
2011
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2011: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | 琉球列島 / 後期更新世 / 動物化石 |
Research Abstract |
琉球列島における後期更新世末から完新世にかけての動物相の変化時期ならびに原因を明らかにするため、南城市サキタリ洞での現地調査と、既存資料の整理作業・調査を行った。現地調査では、更新世の堆積層の調査を行い、比較的上層ではイノシシ、下層では絶滅シカ類を確認し、さらに出土炭化物等から数値年代も得ることができた。この地層の詳細を、現在、投稿論文にまとめている。さらに、同地層に多量に含まれていたカニの分類を特に進めており、河川を遡上するモクズガニの仲間であるらしいことが明らかになりつつある。今後、さらに比較検討を進め、分類学的な位置づけや堆積理由を検討していきたい。 既存資料の調査では、真栄平鉱山第一裂罅、山下町第一洞穴遺跡、港川フィッシャー遺跡、白保竿根田原洞穴遺跡等の出土資料を調査した。真栄平鉱山の資料では、同一サイトで更新世末から完新世にかけてイノシシのサイズが変化することや、更新世のシカ類のサイズ構成がサイトごとに多様であること、鳥類相がきわめて限定的であることなどが明らかになった。現在、この成果を投稿論文にまとめている。 白保竿根田原洞穴遺跡出土の完新世初頭の動物化石には、カットマークとみられる傷が複数認められた。琉球列島における完新世初頭の人類の動物利用に関する情報はこれまでなく、本遺跡の重要性が明らかになった。また、同遺跡では更新世末から完新世初頭にかけての複数の化石包含層があるが、それらに含まれる小動物骨を検討したところ、更新世末の地層からはネズミが多く認められるが、完新世には激減することが明らかになった。港川や山下町の資料でもカットマーク等の有無を検討したが、これまでのところ明らかな痕跡は認められていない。これまで、琉球列島産動物化石の体系的な破損状況の比較は行われたことがないが、今回の調査により白保と他サイトでは動物骨の破損状況にも相違が認められた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)