青少年における攻撃性と摂食・愛着の関係-心理環境的要因の分析から-
Project/Area Number |
23906001
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学・心理学
|
Research Institution | 北海道平取高等学校 |
Principal Investigator |
穴水 ゆかり 北海道平取高等学校, 養護教諭
|
Project Period (FY) |
2011
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 2011: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
|
Keywords | 愛着 / 攻撃性 / 摂食の問題行動 |
Research Abstract |
本研究は、青少年の心性と内外の攻撃性、摂食・愛着との関係について注目し、一般青少年の攻撃性に関わるリスク因子と保護因子についての検討を行うことを第1の目的とし、さらに青少年の病理的な攻撃性への予防的対応へいささかでも言及することを目的としたものである。 調査は2010年10月~翌年2月にかけて、北海道の都市部にある公立高校にて質問紙を用いて実施した。回収された対象者数は886名(回収率95.6%)であった。 調査から得たデータから、「攻撃性」を軸に分析したところ、友人・家族関係への不満感は、他者への猜疑心や不信感に影響しており、家庭や学校での居場所感のなさは、さらに怒りっぽさや抑制の弱さ、身体への暴力反応傾向、暴力への衝動や正当化等にも影響していたが明らかとなった。 さらに食の自制行動である「食後に吐く」行動に影響する他者不信感には、他者への敵愾心よりもむしろ、他者から苦しめられている、嫌われているという他者からの迫害的な気持ちが強く現れており、理解者や居場所も不在しているという寂しさや孤独感を背景にしながら,食に象徴される「授かり」を受ける立場から脱しようとする自立へのあがきの気持ちが見出された。 これまでの、われわれの先行研究では「自傷行為は仲間関係を求める時期に認められ、摂食の問題行動は第2の『分離-個体期』にみられる母子分離の過程において見いだされることが示唆され」、そのため「発達段階での蹟きの時期により、攻撃性が自分に向けられる、すなわち自らを傷つける行動の現れ方に変化が認められる」可能性を検出した。 本研究においても家族関係や家庭環境が、内的攻撃性ともいえる食に関わる問題行動と、他者との関係性に関わる外的攻撃性のリスク因子となっていることが推察された。 今後はさらに、攻撃性に強く影響する解離傾向、関連性の強い衝動性や、人づきあいに影響もする過剰適応等との関連を詳しく検討し、さらに研究を深める所存である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)