社会科単元デザインの作成過程における教師の実践的知識の解明と校内研修の活性化
Project/Area Number |
23908033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育学Ⅰ(文科系)
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Research Institution | 静岡県御殿場市立御殿場中学校 |
Principal Investigator |
平松 祐 静岡県御殿場市立御殿場中学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 校内研修 / 実践的知識 / 事前研修 |
Research Abstract |
団塊の世代といわれるベテラン教師の大量退職時代を迎え、現場の教職員の世代交代が進み、教育現場は、世代の双瘤化や、40代後半から50代のベテランと20代の若手教員の割合が高くなっているという現状がある。このような状況の中で、ベテランの経験や実践的知識など学校文化の継承が滞ってしまうと、授業力や生徒指導力といった学校そのものの教育力の低下が懸念される。そこで、個々の教師の持つ実践的知識の継承や、効果的な校内研修体制を構築する必要がある。現状の校内研修の在り方を再考し、さらなる校内研修の活性化や研修体制の見直しを検討していく必要がある。そこで、本研究では、研究協力校におけるアクションリサーチを通して、(1)学校現場の校内研修の現状や意識を調べるとともに、(2)校内研修の中でもとりわけ事前研修において教師がどのような学びをしているのかを明らかにし、(3)事前研修の効果的な持ち方を提案することを目的とした。研究の方法は、(1)学校現場の校内研修の現状や実態を把握するために、研修主任にインタビューを行いインタビュー結果を質的研究方法の一つであるM-GTAを用いて、校内研修の活性化に関する概念構造図を作成し構造的な分析を行い、(2)M-GTAにより生成された概念に基づいてアンケート質問項目を作成し、協力校職員の校内研修に関する意識調査を実施し、校内研修に対する意識を明らかにし、(3)実際の事前研修において発話を記録し、データ化した発話記録を吉崎(1991)らの先行研究を参考に「教材内容に関する知識」「教授方法に関する知識」』「生徒に関する知識」の3つの知識領域に分類して、それぞれの教師がどのような学びをしているのか、その内実を明らかにした。その結果、(1)インタビュー調査とM-GTAを用いての質的分析から、概念関連図の作成を通して、研修主任が考える校内研修の活性化要因として、《A:目標設定群》,《B:研修方略群》,《C:親和性を志向した同僚性群》,《D:研修参画への動機づけ群》の4つのコアカテゴリーが生成され、構造的な把握が可能となった。(2)アンケート調査から、授業案の検討や教材研究などの事前研修に関して十分な時間が確保されていないことや事前研修や教材研究の時間を確保したいという、若手教師の思いや授業力の低下を懸念するベテランの考えも明らかになり、事前研修の充実は喫緊の課題であることが改めて確認された。(3)発話内容を、発言の順にマトリックスに整理し、対話を通した教材理解の深まりや、教材の本質に触れていく場面を検討・抽出し、そこでどのような学びが成立しているかそのプロセスについて分析することを通して、対話が成立し学びが深まる要因として、専門性・開示性といった個に関する要因、リーダーシップ性・相補性といったグループに関する要因、切実性・文脈性といった状況に関する要因を見出せた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)