Research Abstract |
○研究の目的 理科は,小学校では興味関心が高いが,中学校ではその度合いが落ちる傾向にある。PISA調査でも「科学に関連した職業に就くための準備としての学校の有用性」が日本は低いという結果も出ている。中学校でも理科授業への関心が高まるような方策をとる必要性があると考える。そこで課題を「自然事象のイメージを膨らませ,理科の面白さや有用性を実感できるカリキュラム開発」と設定し,児童の自然を観る目を鍛えその面白さや追究する楽しさを十分に味わい,生活に即して自然事象をもう一度思考し,学びを納得できるような理科授業を構想,実践していくことを研究目的と考えた。 ○研究方法 1昨年度の研究内容を見直し授業実践について論文にまとめることで成果と課題を明らかにした。 2天竜川流域調査を実施し,自然の巧みさを感じられる5年「流水」に関する自作ビデオ教材を開発した。 3学んだことを整理しながら科学的な知識や技能を活用し,生活にかかわらせて思考・判断できるカリキュラム構想と実践をした。(京都大学大学院教育学研究科西岡加名恵准教授主催の研修等への参加と連携) 4自然概念についての自己意識分析を児童が行える「サイエンスアナライザー」を構想・実践した。 ○研究成果 1京都大学大学院教育学研究科E.FORUM及び教育目標・評価学会での研修に参加し研究を深めるとともに6年「水溶液の性質」単元における授業実践や考察を「パフォーマンス評価(田中耕治編著)」にまとめ発表できた。このことを通して,学びを活用しながら子どもたちの思考力・判断力・表現力を育成できる「パフォーマンス課題」の実践研究ができた。また,他単元でも,授業実践を行うことができた。 2天竜川流域調査を行い,5年「流れる水の働き」単元で使用できる自作ビデオ教材や写真を使った掲示資料を作成し,それらを活用して授業実践できたことで,子どもが学びを納得できた。 3児童が自然概念についての意識分析を行える「サイエンスアナライザー」を実践し,学習前後の自然概念についての意識変化を学びの実感に結びつけることができた。
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