Research Abstract |
<研究目的> 高校生が正しく遺伝子組換え実験を理解できるための実践的な教授方略を解明する。 <研究方法> (1)高校生に教育用キットを利用した大腸菌の遺伝子組換え実験を実施し,遺伝子組換え実験の生徒の認識を質問紙法及び個人面接法によって調査する。 (2)海外の教育を目的とした遺伝子組換え実験の生徒用テキスト,教師用指導書,及び遺伝子組換え実験の教材化に関する先行研究を分析し,遺伝子組換え実験に関する学習内容の選択と構成を図る。 (3)国内で販売されている遺伝子組換え実験の教育用キット3種類を高校生対象に試行し,それぞれのキットの有効点及び問題点を分析した上で,教育用キットの改良を行う。 <研究成果> 半数以上の生徒が本実験の理解に支障をきたしていたことから,どのようなことに留意して指導すれば生徒の理解度を高めることができるのか,研究を重ねた。その結果,次の3点が挙げられた。 (1)基本的な知識として,本実験に関する専門用語の理解を徹底させる。 (2)実験に利用できる時間が限られているため,制約された時間を捕う工夫をする。 (3)実験を実施する前に,基本的事項に関して生徒の理解の確認し,指導を徹底する。 以上の3点を重点事項として,本実験を実施したところ,実験全体の意味を理解せず実験を実施した生徒が全体の約2割にまで減少させることができた。今後は,国内で販売されている遺伝子組換え実験の教育用キット3種類を高校生対象に試行し,それぞれのキットの有効点及び問題点を分析する予定である。更には,教育用キットの改良を行い,高校生が遺伝子組換え実験を正しく理解できるための実践的な教授方略の解明していきたい。
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