中学校数学におけるESDの観点からの統計教育の開発・研究
Project/Area Number |
23909038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育学Ⅱ(理科系)
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
西仲 則博 奈良教育大学, 附属中学校, 教員
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2011: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 統計教育 / ESD / 資料の活用 |
Research Abstract |
本研究では、ESDで育成する能力の観点として、(1)多面的、総合的なものの見方を育てる。(2)情報を収集、分析し、表現してコミュニケーションをとることができる力を育てる。(3)情報を鵜呑みにするのではく、客観的に思考し、分析・整理して、精査する思考である代替案の思考力(クリティカルシンキング)の3点と規定した。その上で、持続可能な世界を作っていくのには、「資料を基にして判断する」が求められていると考え、資料の活用領域で、「データの扱い方」、「標本調査・確率」と「情報の選択」の3つの教材を開発した。「データの扱い方」では、目的を持ってデータを集めたり、データの扱い方を気をつけたり、データをクリーニングすることやデータをクリティカルに見ることに焦点化した授業を行った。「標本調査・確率」の課題では、「2社の電池の問題」を拡張して、生徒が確率を用いて判断する課題として授業を行った。この授業では、2種類の電池の寿命をそれぞれの班で調査(標本調査)を行いその結果を基に、課題について確率的判断に基づく考察を行う授業を行った。全体課題の枠を提示して議論する場面、複数の個別課題をグループ毎に提示して個別課題の解き方を振り返る場面、という2つの場面を持つ授業設計の方法を用いた授業である。その結果、生徒たちは、電池の組合わせを考えて、基準を自ら決め、それに基づいた確率を求め、判断を行うことができた。「情報の選択」の授業は、「ハンドボール投げ」に関するデータを縮約したものや、男女別の経年変化を示したグラフ等を8枚用意する。この8枚は、それぞれの属性を全て記載するのではなく、ある程度属性を隠したものである。授業の構成としては、「課題の提示」を行い、全体でその課題についての意見を出し合う。次に班ごとに異なった資料(8枚の内の1枚)を渡して、その資料を基にして班としての解決を行い、それを発表する。他の班の発表を聞く中で、同じ課題であるが、資料が違うことでその判断が違うことを知る。次に、各班に残っている資料全てを配布して、同じ課題を再度検討して、その判断とその理由を発表しあう授業を行った。3つの授業とも、生徒は資料に対してバイアスを持ってあたっていることを実感し、それに気付かせ、資料をクリティカルに観ることを習得し、それを活かした活動を行うことができた。中学校の統計教育にESDの観点を導入することにより、新しい授業を創造することができた。今後、研究を継続し、発表を続ける。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)