2種類のかげの区別に着目した小・中・高校を通じた空間認識を高める授業の開発
Project/Area Number |
23909045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育学Ⅱ(理科系)
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Research Institution | 北海道立教育研究所附属理科教育センター |
Principal Investigator |
柳本 高秀 北海道立教育研究所附属理科教育センター, 研究研修主事
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2011: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | 2種類のかげ / 影と陰 / 空間認識 |
Research Abstract |
本研究の目的は、小・中・高を通じて天文分野の空間認識を高めるため、小学校では「月の満ち欠け」、中学校では「金星の満ち欠け」、「食現象」、高校では「惑星の視運動」等に関する系統的な学習プログラムを開発・実践することである。 研究方法では、小・中学生、高校生に対する質問紙調査、面接調査を行った。児童・生徒が持つ、「月の満ち欠け」、「金星の満ち欠け」、「食現象」、「惑星の視運動」に対する理解の特質を、これらの調査から明らかにした。これまでの授業実践の評価に基づき、空間認識を高める具体的内容として、アメリカやイギリスの理科カリキュラムに見られる「観察活動」、「光とかげ」、「相対運動などのモデル化」を導入した授業を開発、試行した。授業後、その評価を行い、児童・生徒の空間認識の変容について調査した。 中・高校生の食現象に関する調査からは、多くの生徒に、「日食」現象を「月食」現象と混同している生徒や、食現象と月の満ち欠け現象を混同している生徒が多数見られた。また、食現象を立体的に捉えた正答が非常に少ない実態が明らかとなった。 空間認識を高める具体的内容である「光とかげ」、「相対運動などのモデル化」などを導入した授業として、小学校では月の満ち欠け現象に関して「2種類のかげ(影、陰)」に着目した授業実践を行った。2種類のかげの区別の内容を中心に、観察活動やモデル化などを密接に関連させた授業展開を行った結果、3割程度だった月の満ち欠けに関する理解度が、授業後には、約9割へと大幅に増加した。加えて、中・高校生への「金星の満ち欠け」、「惑星の視運動」に関する授業実践でも、物体によってできる影と物体そのものにできている陰の2種類のかげの区別や、立体的なモデル化を密接に関連づけることで、多くの生徒に視点移動能力の発達傾向が見られ、空間認識能力の高まりが確認できた。
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Report
(1 results)
Research Products
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