Research Abstract |
研究目的 中学校技術・家庭科技術分野において,協同学習モデルに基づいたロボット製作の中にアイデア表現力・評価力を育成する指導法を組み入れた授業プログラムを開発し,教育効果を検証する。 研究方法 ロボット製作学習において,個人で考えたアイデアをチームの仲間に提案し、お互いのアイデアを共有し、アイデアを一つにまとめる協同での学習活動の中に相手に伝える必然性を設定し,表現力・評価力を伸ばすことで,「共同的課題解決力」の向上にも影響を与え,新しい発想を生み出し,知的財産を尊重する大切さを意識させることができると考えられる。 教育効果の検証は,次の4つの調査で行う。1)アイデアの質的調査。個人構想とチームでの協同構想でのアイデアの質的変容を調査する。2)ポートフォリオ評価。ポートフォリオ評価により,生徒の思考過程の変容を記録し,分析をする,3)パフォーマンス評価。アイデアの表現力・評価力を測定できるパフォーマンス評価を行う。4)意識調査。事前・事後の質問紙調査により、協同での技術的課題解決力の変容を調査する。技術的課題解決力の構成要素として創造的思考・創造的技能・創造的態度・チームワーク力・コミュニケーション力に関する24項目を設定し5件法で作成する。 研究の成果 1)共同的課題解決力が身につけられ,特にコミュニケーション力,チームワーク力,創造的態度について効果が確認できた。2)個人のアイデアよりもチームによるアイデアの質が向上した。3)「もの作りに対する興味・関心」「他人のアイデアを尊重する姿勢」「身のまわりの技術に関する興味・関心」「仲間とのコミュニケーション力」「発明についての興味・関心」「工夫する力」「仲間と協同して課題を解決する力」「情報を発表・発信する力」について生徒達は力の伸びを意識していることが確認できた。
|