Research Abstract |
目的:地方の教員採用試験は,採用数が少なく,受験生にとり厳しい現状である.また,大学生の目的意識の希薄化,学習意欲の低下,学生の多様化により,それぞれ個別に対応するのは困難な状況になっている.さらに,大学生の友人関係に関する「無関心」も指摘されており,大学生の横の繋がり,縦の繋がりをも意識したソーシャルな学習環境デザインが求められている.本研究では,教員を目指す学生が自主的に教員採用試験に向けた準備を行うインフォーマルな学習環境を提供するため,学習状況の可視化による競争的・協同的なeラーニングシステムを開発し,教員志望者の自己調整学習スキルを向上させ,教職に向けた学習サイクルを確立させることを目的とした. 成果:本研究では,オープンソースLMS(Moodle)とソーシャルメディア(Twitter)および,その外部サービスTwitStudyと連携したブレンド型eラーニングを開発した.具体的には,学習計画・マイルストーンや,自分なりの学習方略を投稿する掲示板,教員採用試験の小テスト機能および,外部サービス(TwitStudy)による学習時間の可視化機能である,また,本システムは,自学による学習を競争・協同的に進めるため,対面とのブレンド型とした.対面場面は,目標・計画の策定や,教え合いの場,先輩からのアドバイスの場とした.本システムは,外部SNSと連携する事により,掲示板,小テストなど,LMSに一般的なモジュールで構成することが出来た.また,対面とのブレンド型にすることで,学生に参加しやすい環境を提供することができ,スムーズな導入が図れた.他にも,外部SNSを用いることで,携帯電話などで簡易に学習時間を記録することができ,学生から利用しやすいとの感想があった.さらに,学習者はSNSにより同級生だけでなく,他大学・学部の学生からも学習刺激を受けるなどの効果があった.以上のように,本システムを通して,学生の学習サイクルが確立されている契機となった.
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