本研究の成果として、以下のことがあげられる。 1基礎学力判断基準表 書くこと、読むことに関してすぐに診断ができるよう、また該当学年とどれぐらいの幅で到達できているかをすぐに診断できるようにした。 まず書くことに関しては、ひらがな、かたかな及び漢字の力を測る。また作文については、初歩の段階の単文から始めて、最終的に200字作文が書けるかなどレベル別に診断ができるようにした。 さらに読むことに関しては、どの学年レベルの教科書が読めるかを最終判断とするが、その前提となる文字の認知に関わる基礎的な部分を診断できるようにした。 2診断カードについて 診断カードは、特にレベル診断ができるだけでなく診断カードを使って指導ができるようにした。具体的には、苦手な漢字については、形がなぞれるようなカード、またビジョンとレーニングも兼ね合わせて遊び感覚で漢字を見つけるカードを作成するようにした。 3作文指導に関して 作文指導については、特に口頭での作文指導を重視した。それは、特に書くことに抵抗があり、ある程度の抽象思考ができる児童の場合は、この指導法が有効であると考えたからである。作文を考えることが楽しいとなってから、書く作業へ移行していく。まず単文を書く指導から始め、その後、文字量として50字程度から100字そして、200字へと段階を踏んだ短作文が書けるような指導法について、実践を積み重ねながら検証していった。
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