通常教育環境で学ぶ難聴児に対する新しい支援モデルの構築
Project/Area Number |
23911019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
特別支援教育
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Research Institution | 長野県難聴児支援センター |
Principal Investigator |
前田 麻貴 長野県難聴児支援センター, 教員
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 難聴児支援 / 特別支援教育 |
Research Abstract |
新生児聴覚スクリーニングにより早期に難聴が発見されるようになり、通常教育環境で学ぶ難聴児が増加している。しかし、騒音の多い環境下での聴取は難しく、情報の不足から学習や人間関係の構築などに困難をきたすケースも多い。本研究では、難聴児を対象にFM補聴システムや文字情報による支援の有効性を検証するための調査研究を行い、新生児聴覚スクリーニングから学齢期までの一貫した新しい難聴児支援モデルを構築することを目的に研究を行った。 本研究では、雑音のある環境下での聴取能力の低下および各種支援システムの有効性に関して、雑音付加なし、雑音付加の比較、雑音付加条件下でFM補聴システムを使用、雑音付加条件下で文字情報を提示の順に4条件で評価した。その結果、聴児においては雑音の有無による聴取能の差は見られなかったものの、難聴児においては雑音付加の有無で有意差を認めた。また、雑音下でのFMシステム使用の有無、文字情報提示の有無で結果に差が見られた(p=0.05)。従って、難聴児では雑音下での聴取能が低く、その改善にFM補聴システムや文字情報の提示が有効であることが明らかとなった。ただし、文字情報は年齢や読みのスピードにより提示の方法や速度を工夫する必要があると考える。 また、通常教育環境で学ぶ難聴児が困難を感じる場面の実態把握を目的に、学校生活の様々な場面による「きこえ」や「聴覚的理解」について質問紙での調査およびインタビューを行った。その結果、休み時間の友達の話、体育館での話という場面において「きこえ」と「聴覚的理解」に差を認めた(p=0.05)。従って、声はきこえても内容を理解できるほどには聞き取れていない場面があるという実態が明らかになった。この実態からFM補聴システムの使用や文字情報の提示とともに、周囲に対し難聴児のきこえに関する理解と雑音を抑える工夫などの協力を得られるよう啓発していくことが重要であると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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