鍼灸オントロジーの構築による視覚障害者への鍼灸学の専門教育の高度化の研究
Project/Area Number |
23911026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
特別支援教育
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Research Institution | 国立障害者リハビリテーションセンター |
Principal Investigator |
小田 剛 国立障害者リハビリテーションセンター, 自立支援局・神戸視力障害センター・教務課, 厚生労働教官
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2011: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 視覚障害者 / 鍼灸オントロジー / 鍼灸専門教育 |
Research Abstract |
【研究目的】 オントロジーとは、概念とその背景知識を形式化・体系化したもので、知識処理の基盤である。本研究では、鍼灸分野をドメインとしたオントロジーを構築し、これを用いて視覚障害者へ鍼灸概念を教育する教材を作成する。特に鍼灸の専門教育のうち、経絡と経穴に関する教材の高度化を目標とした。 【研究方法】 まず当センターで用いている書籍『基礎理療学I(東洋医学概論)』および『基礎理療学II(経絡経穴概論)』(日本ライトハウス)から鍼灸用語を抽出し、オントロジー構築に用いる概念を定義した。次に、抽出した用語に対する概念を決定した。この各概念に対する定義文は、抽出元の書籍に基づいて作成し、概念の属性および概念間の関係を付与した。概念間の関係には、上位下位の関係を表すis-a関係と部分全体の関係を表すpart-of関係を定義した。これらの関係を体系化、組織化して、計22項目の鍼灸オントロジーを構築した。構築には、MacBook Air(13インチ1.8GHz デュアルコア Intel Core i7)と「法造オントロジーエディタVer12.9.0」を用いた。 修正を繰り返し、最終的に必要な粒度を持つオントロジーを得た後、計22項目から鍼灸教育指導要綱に準じた4項目のオントロジーを選出した。次に点字と点図で概念間の関係を構造的に理解可能とした、経絡と経穴に関する教材を作成して、実際に講義で4週間用いた。最後に視覚障害者17名の協力の下で試験を行い、学習効果を評価した。 【研究成果】 学習効果を確認した結果、オントロジー教材を用いて学習した視覚障害者10名の経絡と経穴に関する試験の得点は、用いて学習しなかった視覚障害者7名より有意に高かった。この結果から鍼灸オントロジーの構築は、視覚障害者への鍼灸専門教育に有益であることが示唆された。なおこの研究内容は、第63回福祉情報工学研究会で発表する。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)