Project/Area Number |
23913004
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
数学
|
Research Institution | 栄光学園中学校・高等学校 |
Principal Investigator |
田村 篤史 栄光学園中学校・高等学校, 教員
|
Project Period (FY) |
2011
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2011: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | 数学的才能 / 高学力者 / 思考過程 |
Research Abstract |
研究目的: 高等学校の検定教科書に掲載されているlim[x->0](sinx)/x=1の証明に関しては,循環論法であるとの指摘がある。ひとりの数学的才能者とともにπの再構成を行い,それを用いてlim[x->0](sinx)/x=1の証明における循環論法の回避策を見出した。この過程で数学的才能者の思考過程を記録し,思考特性を分析する。さらに数学的才能者の得た結果を教室で共有したときに高学力者が受ける影響,数学的才能者と高学力者の相互作用の有無を検討する。 研究方法: lim[x->0](sinx)/x=1の正しい証明について,数学的才能者の得た結果を含む3つの方法と,高学力者(生徒)の提示したアイデア2つ(証明には瑕疵があるが,教室で共有することで学習の深化が期待できるもの)を授業で扱い,それら5つの方法の理解度等を調査・アンケートし分析した。また,数学的才能者に関しては延べ6ヶ月程度の経過観察および数度に渡るインタビューを実施した。 研究成果: 高学力者にlim[x->0](sinx)/x=1の証明における循環論法の回避策の理解度等を調査した結果,数学的才能者の存在が生徒たちの学習意欲を刺激し,数学の理解を深化させたとの結果を得た。さらにその後の経過観察等から,数学的才能者と高学力者は,相乗効果により互いに良い影響を与えていることも確認された。数学的才能者は,高学力者集団に身をおくことで刺激を受け向上心を高めている。このことは,数学的才能者の思考やその卓抜性を理解しうる高学力者との共存があって成立することであり,先天的才能や親による教育だけでなく,高学力者との集団教育が数学的才能者の思考特性の形成に関与しているものと推定され,数学的才能者と高学力者の間には相互作用があると考えられる。(681字)
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)