Research Abstract |
本研究は,平成22年度の千葉県長期研修生として「水中イオンエンジン」を使った電磁推進船(教材名:イオンライダー)を学習プログラムとともに開発した成果をもとに行った。研究目的は,次の3つである。 (1)「水中イオンエンジン」の観察を通して生徒の思考力・表現力を高める (2)「水中イオンエンジン」を搭載した電磁推進船「イオンライダー」の高速化 (3)「イオンライダー」を通して,生徒に未来の船や充電池の実用化について考えさせる 具体的な研究内容としては, ・生徒の実態調査と神戸海洋博物館の資料の収集 ・教具の改良(水中イオンエンジンの脱着部分)や必要台数の製作 ・発展的な学習プログラムの再構成し,検証授業を行い生徒の変容から本研究の有効性を検証研究成果としては,上記の研究目的(1)~(3)に関して, (1)生徒が「水中イオンエンジン」を電磁推進船から外した状態での観察を通して,電流・磁界・力(水流の流れ)の向きを正確に把握することができた。これにより,導線における電流・磁界・力の向きと関係づけながら思考し,共通点を見いだす場面を多く作り出すことができた。 (2)単4型のニッケル水素電池を単4型のリチウムイオンに変えることによって毎秒5cmの速度を記録した。(ニッケル水素では毎秒3cmであった。) (3)生徒が目の前の水中イオンエンジンについて,実用された例を神戸海洋博物館の資料をもとに関連づけて考えることができた。未来の船としての課題に超電導磁石や充電電池の問題があることに気づかせることができた。 また,千葉県の教職員に向けても,千葉県総合教育センターにおいて,研修講座の講師の機会を得て,全県の教員に,本教具と学習プログラムを広めることができた。
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