Research Abstract |
1.研究目的 割型に紐の結び目経路を形成し,この経路に紐を導入し結び目を得る結索方法を用い,二重機結び,ユニノット等の複雑な結び目を形成可能な結索装置の,研究開発・実用化を行う. 2.研究方法 1)経路及び割型の設計製作:二重機結び及び,ユニノットの経路及び割型の設計を行った.二重機結びにおいては,型合わせ面の両側に経路を設ける両彫り,片面に経路を設ける片彫り,ユニノットにおいては片彫りでの設計とした.型の製作においては,ロープ製造現場で自動化要望が高いと判明した二重機結び用割型の製作を行うこととした. 2)紐導入及び型開閉実験:製作した割型及び既存割型(異なる経路を持つ二重機結び用割型)を用いて紐の導入実験及び型開閉実験を手動で行い,紐の導入性能,型開閉方法及び紐締め込み方法の解析を行った. 3)割型開閉機構の設計,結索装置製作及び結索実験:紐導入,割型開閉実験結果を基に開閉機構の設計を行い,結索装置の製作を行った.装置は紐導入,及び駆動にエアーを用い,ロープ製造現場における結索手順を考慮した自動化を行い,完成後結索実験を実施した. 3.研究成果 割型への紐導入実験においては,ロープ製造に用いられる紐(ナイロン1260d×4×4Z撚り)の導入が可能であった.結索実験においては,良好な結び目形状及び締め込み強度が得られ,本装置の有効性が実証された.しかし曲げ剛性,摩擦係数が高いと思われる紐の導入には至らなかった.これは紐の経路長を可能な限り短縮して設計を行ったため,経路曲がり部分の曲率半径が小さくなったことが原因と思われる.高曲げ剛性,高摩擦係数の紐が導入可能な割型の研究・開発が課題となり,今後研究を継続し更なる実用化を目指したいと考える.
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