Research Abstract |
1.研究目的 苫小牧高専機械工学科学生向けに教育改善の一環として,苫小牧高専機械工学科実習工場では,生産加工実習等において,制御実習としてPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)およびパソコンを活用した初歩的な制御用実験装置を製作し活用することにより教育改善を行っている. PLC等を活用した制御回路の実習を行い,学生からの感想および提案から,ランプの点灯などの確認も大事ではあるが,移動を伴うことによる動作確認が目視でき,より実用的かつ楽しく取り組むことのできる実験装置を望んでいることがわかった. そこで,制御実習装置を改良するにあたり,鉄道模型およびPLCを活用した疑似列車制御装置(ATC)を製作し,生産加工実習等において,本校機械工学科学生向けに制御回路について実習を実施し教育改善を行うことを目的とする. 2.研究方法 研究方法を下記の1)~2)に示す. 1)鉄道模型およびPLCを活用した疑似列車制御装置(ATC)の製作を行う. 装置の仕様を下記のI)~VII)に示す. I)鉄道模型のNゲージレールおよび鉄道車両を活用し,レール上に車両を走らせる. II)PLCおよびラダー図を用いて模型車両,レールおよび信号等アクチュエータの制御を行う.直流入出力・タイマー回路等を活用し,レールのカーブ,ポイントおよび踏切の近傍にセンサを設置することにより疑似列車制御装置の実習ができる. III)制御回路入力は,直流5V,12Vおよび24Vとし,スイッチおよびセンサを用いる. IV)制御回路出力は,直流12Vとし,LEDを活用した信号,鉄道模型の動作,レールのポイントなどのON/OFF等に用いる. V)レールのカーブにはカント(傾斜}ありおよびカント無しを設ける. VI)鉄道模型の車両には振子機能付きおよび振子機能なしの2種類を用意する VII)模型の動作時に車載カメラおよび既存のビデオカメラ等を用意し遠心力が目視可能な実験装置とする. 2)本校実習工場内において1グループ(8~10人)の学生が,機械工学科生産加工実習において制御実習を行う. 3.研究成果 本研究内容によって考えられる効果を以下の1)~3)に示す. 1)1実習工場内において実習時の1グループ(8~10人)の学生が,PLC等を活用した疑似列車制御装置(ATC)の実習が可能となる. 2)鉄道模型およびPLCを活用した制御実習を行うことにより,普段の生活において身近な移動を伴うことによる動作確認が目視できることにより,電気・電子制御学習において学生の理解度が高まり,興味を引くことが期待される. 3)創成型実習において,メカトロにつながる課題が可能となり,より一層,学生の創作意欲をかき立てる事が可能である. 上記実習を経験したことにより,学生が卒業し,生産工場において生産技術部門等に配属されたとき,PLCによる制御を応用し,生産管理が可能となる.
|