Project/Area Number |
23917031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅰ(機械系)
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
村上 清人 九州工業大学, 工学部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 炭素繊維 / 液体酸素適合性 / 炭素繊維強化プラスチック |
Research Abstract |
液体酸素容器の構造材料には,アルミニウム合金やステンレスなどの金属が用いられている.それらをより軽量で高強度な特性をもつ炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に置き換えることができれば,運搬効率の向上に伴う省エネルギー化や輸送コスト削減,ひいては低炭素社会の実現に寄与できると考えられる.また,医療用酸素源としてのポータブル容器においては,患者への身体的負担の軽減が期待できる.液体酸素は,有機物や可燃物との接触下において,衝撃や摩擦などの外的エネルギーが付与されると発火する危険性がある.そこで本研究では,CFRPの強化材である炭素繊維に照準を絞り,液体酸素環境下における各種炭素繊維材料の衝撃発火性(液体酸素適合性)を実験的に調査し,その特性の把握を試みた.実験はASTMの規格に準拠したABMA型衝撃試験装置を用いて実施した.以下に得られた知見の概要を記す. 1.汎用タイプのPAN系炭素繊維(アクリル繊維を原料とするもの)と汎用タイプのピッチ系炭素繊維(石油や石炭,コールタールなどの副生成物を原料とするもの)を比較すると,高弾性の特性をもつピッチ系炭素繊維の方が発火反応性が低い傾向にある. 2.引張弾性率ならびに熱伝導率の高い炭素繊維ほど発火反応性が低い傾向にある.なお,弾性率や熱伝導率の高い炭素繊維は黒鉛結晶の配向度が高く,空洞や空孔などの欠陥が少ない規則的なグラファイト構造が発達したものである. 3.発火反応性の高い炭素繊維において,炭素繊維表面に塗布されるサイジング剤は発火反応性を抑制する効果があると考えられる. 今回試験に用いた試料は繊維状であったたため,発火反応性が高くなった可能性がある.ただし,炭素繊維の原料や特性によって発火反応性が異なるという結果は,液体酸素容器に適用可能なCFRP材料を選択するうえでの有用な手がかりであると考えている.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)