Research Abstract |
【研究目的】 地球温暖化等の環境問題に対する意識や化石燃料の枯渇意識の高まりとともに,動力源を化石燃料から電気エネルギーに代替した電気自動車等の普及および省エネルギー化が期待されている.現在、実用化されている電気自動車は,走行距離の長距離化や充電作業をいかに容易に行うかが重要な課題となっている. 本研究では,「容易な充電」を実現するために,「無線送電技術」の実用化に向けた研究・開発を行い,「環境に配慮した低炭素社会」の実現に寄与することを目的とする. 【研究方法】 データの可視化など高度な数値演算機能を持つ「MATLAB」を用いて,「無線送電技術」の4方式の内で非放射型に分類される「電磁誘導方式」と「磁気共鳴方式」について,電場と磁場との強度分布から電力の伝送効率と距離および周波数との関係についてシミュレーションした.シミュレーション内では,まずコイルの形状から,磁場の強度分布を距離および周波数ごとに確認した.次に、コイル間の距離を変更して伝送効率の距離依存特性を調べた.最後に,電源周波数を変更して周波数依存特性について調べた.また,この時のコイルのインダクタンスは送電側,受電側ともに100μHとした. 【研究成果】 シミュレーションにより,磁場の強度分布を確認できた.また,「電磁誘導方式」においては,距離が離れると伝送効率が著しく下降していくことが確認できた.「磁気共鳴方式」では,電力送電の条件(距離・インピーダンス等)が変わると,伝送効率が著しく下降してしまうことが確認できた,しかし,本研究の目的であった電力送電の実験および車両への搭載試験には至っておらず,今後,実際にコイルを製作して,実験とシミュレーションで得られた結果との整合を確認する予定である.また、得られたシミュレーション結果を可視化することで,学生実験へ応用し,学生の電気磁気学への習熟に貢献していきたいと考える.
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