Project/Area Number |
23919003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅱ-B(情報系)
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Research Institution | Kyushu National Museum |
Principal Investigator |
輪田 慧 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部・博物館科学課, 研究補佐員
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | X線CT / 3Dプリンタ / 文化財 |
Research Abstract |
研究目的 文化財のX線CT情報をさわりながら見ることのできる『みえるレプリカ』を製作し、博物館の展示機能を充実させる。 研究方法 1.調査:各地の博物館を取材し、展示意図、方法を調査した。 2.製作と展示:文化財調査の際に取得した3D計測やCTデータを、博物館の取材や学芸員の助言をもとに展示に最適な表現に加工し、3Dプリンタや切削機で出力した。これを「みえるレプリカ」として、調査文化財の所蔵館等で展示した。 3.まとめ:展示担当者や来館者を調査し、「みえるレプリカ」の効果と今後の方向性をまとめた。 研究成果 1.展示ツールとしての成果:古代青銅器のCTデータから内部構造を読み取り、半栽模型や部品別色分け模型などを制作して、実物と並列展示した。観覧者は、青銅器の薄さを数値ではなく形として実感し、古代鋳造技術のレベルの高さに驚きを示した。また、槙型自体の再現度に対する驚きも聴かれ、展示への興味関心を増幅させるツールとしても期待できる。 その他、発掘直後で錆に覆われた遺物のCTデータ上から、錆部分を除き、象嵌を表出させた模型を制作した。これにより、実物から錆を除去する時間を待たず、象嵌を立体で示せた。また、錆除去の際に誤って象嵌部分を削らないための指標としても活用できる。 2.研究ツールとしての成果:仏像内の木組みのCTデータを、部品ごとに分割して造形し、接触を確認しつつ組み合わせた。実際に組むことで構造が分かりやすくなり、研究会の資料として使用した。 3.今後の課題:本研究で制作した「みえるレプリカ」は、文化財が持つ情報を分かりやすく伝えた。さらに、展覧会観覧者だけでなく、文化財研究者にも受け入れられつつある。しかし、当然ながら元データとその表現の良し悪しで模型の情報伝達精度が決まる。そのため、文化財の展示、研究機能を同時に有する博物館で、ディジタルデータの取得、加工、表現に携わる人材を増やすことが急務である。
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Report
(1 results)
Research Products
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