Research Abstract |
地中熱利用型空調システムのモニタリングを行い、コスト評価のためのデータを採取した。 この空調システムは、今年度8月から稼働したシステムであり、熱交換井とヒートポンプで構成されている。熱交換井には、温度モニタリング用の熱電対を地上から1,3,5,10,20,30,40,50mの深さに設置している。これをデータロガーに接続しデータベースとして保存するシステムを構築した。加えて、地下水位の変動も測定した。37.20m(8/26),37.40m(9/9),36.70m(12/14),37.00m(2/21)と、年間を通じて安定している。 この温度モニタリングでは、熱交換のための循環流体からの温度影響が大きいため、空調休止し十分に温度が回復した点で取得した。週末は空調を停止させているため、月曜目システム稼働の直前(6時台の温度の平均値)を熱交換井の温度として取得した。これを既設観測井で取得しているバックグラウンドデータと比較した。温度変化から、地中の熱を使った熱交換が効率的に行われるのは10mより深い部分であることが明らかになった。 また、測定を行った冬季では,熱交換井近傍の温度はバックグラウンドの温度より低い傾向にある。夏期は冬期と逆の熱交換が行われ、年間を通して地中の温度は安定していくものと考えられる。年間トータルの熱供給バランスを制御することで熱交換井の寿命を延ばすことができる。別に地中温度とCOPの関係も測定した。地中温とCOPはおおよそ比例関係が有ることが見いだされ、COPをあげるためには地中温度を極端に上下させない運用が必要であることも見いだされた。 今後も継続してモニタリングし、これらをバランスさせた最適な制御方法を検討していき、成果を積極的に活用していく。
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