Project/Area Number |
23922014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅴ(その他工学)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
細野 米市 東京大学, 大学院・工学系研究科, 技術職員/東京大学職員
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2011: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 太陽電池 / ビームロスモニター / 放射線検出器 |
Research Abstract |
太陽電池はシリコン単結晶やアモルファスシリコン等があり、それらはp-n接合を持った半導体構造をしている。形状は、小さいもので数cm角、大きい物では数m角のものまである。それらは製造方法によって空乏層の厚みが違うが、いずれの場合でも1ミクロン前後と言われている。筆者はここ数年、これらの太陽電池の特徴を生かして電子線形加速器の簡易型ビームロスモニターの開発・研究を試みてきた。本研究では、応用範囲の広いフレキシブルな太陽電池を用いたビームロスモニターの試作・開発を行った。 実験は、東海村に設置してある東大35MeV電子線ライナックを用いて、パルス幅10ps、加速電荷量0.5pC/pulse~100pC/pulseの間で行った。この加速ビームは、厚さ15cmのカーボンと厚さ5cmの鉛を重ねたターゲットに入射し、ビーム入射時に発生するブレームスγ線を用いて実験を行った。ターゲット後方には太陽電池がおかれている。なお、加速電荷量を小さくするために、Sバンドライナックの加速周波数である2.856Gzの一波長である350ps以下の200psのパルス幅の信号を電子銃グリッドパルサーに入力し、単パルスを発生させた。 実験に用いた太陽電池は、受光面が70cm^2から1550cm^2のアモルファスシリコン太陽電池である。太陽電池の出力は、1/V変換を行った後に波形整形回路を通してオシロスコープで測定した。また、発生したγ線の線量率を知るためγ線の線量計を用いて100pC/5pps~400pC/5ppsの間で線量測定を行った。こうした一連の実験で以下の事が明らかになった。(1)太陽電池出力は、加速電荷量を一定にした時は受光面積に比例する。(2)受光面積が一定な場合、加速電荷量に対する太陽電池出力は良好な直線性を持つ(3)太陽電池のサイズにもよるが、受光面が75cm^2の太陽電池は下限の測定限界が0.5pC/pulseであった。(4)加速電荷量と発生したγ線の線量率は、良好な直線性が確認された。加速電荷量に対するγ線の線量率は、100pC/5ppsの時に634μSv/hで、400pC/5ppsの時が2160μSv/hであった。(5)アモルファスシリコンは空乏層が1ミクロン以下と狭く、シリコン結晶タイプに比べて感度が少し悪い、等である。これらの結果から、アモルファスシリコン太陽電池を用いたモニターは、フレキシブルであり加速器のみならず、他の高い放射線場用の放窮線検出器としても応用可能である。
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