有機質肥料の継続施用が水稲の生育と品質ならびに食味に及ぼす影響の生理学的解析
Project/Area Number |
23925018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
農学・水産学
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
菅原 慶子 筑波大学, 農林技術センター, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 有機質肥料 / 特別栽培 / 水稲 |
Research Abstract |
食の安全に対する意識の高まりや持続可能な農業生産という観点から、筑波大学農林技術センターでは水稲栽培において農薬および化学肥料を慣行栽培の50%以下に抑えた減農薬・減化学肥料栽培(特別栽培)に取り組んでいる。特別栽培の継続が水稲の成長、収量および品質に及ぼす影響については未知の点が多いことから、本研究では、有機質肥料の継続施用が水稲(品種:コシヒカリ)の生育および米の品質へ及ぼす影響について化学肥料を主とした栽培(以下、慣行栽培)を対照として比較・検証した。 特別栽培(1号圃および2号圃)は有機質肥料を使用し、化学肥料による窒素施用量を0(1号圃)と3.15kg/10a(2号圃)とし、慣行栽培(6号圃)では化学肥料による窒素施用量を5.6kg/10aとした。生育調査として移植後3週間ごとに、草丈、茎数、葉色値を測定した。成熟期に収量および収量構成要素を測定するとともに玄米の外観品質および食味値を測定した。 収量は慣行栽培(495g/m^2)に比べて特別栽培(340、324g/m^2)では大きく減収した。収量構成要素を比較すると特別栽培では単位面積当たり籾数が少なく、株当たり穂数と1穂当たり籾数が十分に確保できず収量が少なかったことが明らかであった。玄米外観品質では整粒割合は慣行栽培が特別栽培より高かった。玄米食味値はいずれの圃場でも「良」とされる80以上であったが、玄米タンパク質含有率は特別栽培(1号圃)が最も低く、慣行栽培では高くなった。 以上により、特別栽培では、穂数および1穂当たり籾数の低下による籾数不足が減収の主な原因と考えられることから、茎数を確保するとともに1穂籾数を維持するための栽培管理が必要と考えられる。しかし、化学肥料成分を抑えた特別栽培では玄米タンパク質含有率が低く食味値が高いことから、肥培管理では収量の確保とともに食味品質も考慮する必要があることがわかった。
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Research Products
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