Project/Area Number |
23925021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
農学・水産学
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
長井 宏賢 高知大学, 総務部・物部・総務課, 係員
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ノウサギ / 生息密度 / 赤外線自動撮影カメラ |
Research Abstract |
ノウサギは、若い造林地の植栽木を食害する害獣として防除の対象とされる一方、伐採や下刈りなど、生息環境を改変する森林管理の影響を受けて生活している。近年の林業の低迷を背景に人工林伐採後の再造林不実行、省力のための植栽密度と下刈り面積割合の低減、強度間伐による針広混交林への誘導など、結果としてパッチ状に草本類の増加をもたらす森林の取り扱いが増えている。こうした森林管理がノウサギの活動に及ぼす影響を評価し、予測することは、これからの森林管理上、大切な要素になると考えられる。本研究は、多様なパッチからなる植生モザイクでのノウサギの生息密度推定に、従来の糞粒法を適用した場合の推定精度を評価することを目的として行った。 高知大学嶺北フィールド西団地の小面積皆伐地(0.15ha)に2m×2mの方形プロットを5ケ所設定し9月から3月の間、2週間から1カ月毎に、プロット内の糞粒数を計測後プロットからの除去を繰り返し、糞粒数から生息密度推定値を算出した。また、同じ期間に各プロットに死角が出来ないよう赤外線自動撮影カメラを設置し、プロット内に侵入したノウサギを撮影し写り込み回数を記録した。 調査日毎の平均生息密度は、調査開始当初の9月から12月では、0.00頭/haから3.05頭/haと低い水準で推移し、1月には0.18頭/ha、2月5.01頭/ha、3月7.37頭/haと増加した。同期間の写り込み回数は、9月から11月までは生息密度の推移と同様に0回から5回の低水準で推移し、12月以降は11回から16回と増加した。 画像からは個体の特定までには至らなかったが、ノウサギの活動の有無、頻度は確認できた。生息密度の推定値と同期間の撮影回数の間には有意な正の相関が認められ(r^2=0.71、p<0.01)、多様なパッチからなる植生モザイクにおいても従来の糞粒法による生息密度推定法によって算出された生息密度推定値によりノウサギの大まかな活動の把握が可能であることが明らかとなった。
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