紅藻ソゾ属の臭素代謝物の単離・同定とRIイメージング法を用いた代謝機構の検討
Project/Area Number |
23925024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
農学・水産学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野矢 洋一 北海道大学, アイソトープ総合センター, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ソゾ / 臭素代謝 / 放射性ヨウ素 |
Research Abstract |
<研究目的>・本研究は、紅藻ソゾ属における臭素代謝機構の検討のため、放射性臭素Br-80を用いた新規化合物の探索、分子イメージング手法を用いた生体内分布の解明等を予定していた。しかし、Br-80の唯一の供給元である日本原子力研究開発機構による生産が当初アナウンスから大幅に遅れ、現在も停止状態である。このため、同族体である放射性ヨウ素を用いて、臭素-ヨウ素置換体の生合成やその生体内分布を検討することによって、ハロゲン代謝機構の知見を得、ヨウ素置換体による新たな研究手法を検討することを目的とした。 <研究方法> 臭素欠乏の人工海水(培地)に安定および放射性ヨウ素を添加し、ウラソゾ(Laurencia nipponica)を培養した。培養株をPlanar Scintigraphy, Computed Tomography (CT)およびImaging plate (IP)で撮像し、ヨウ素化合物の生合成の有無及び生体内分布の検討を行った。引き続き培養株をメタノール、ジエチルエーテル、ヘキサンで連続抽出し、TLC,HPLC,LC/MS分析で臭素、ヨウ素代謝物の検討を行った。 <研究成果> 分子イメージング手法を用いた検討により、ヨウ素化合物が生長点に集積することが分かった。これらの成分について、TLC-IP分析、HPLC-放射能分析およびLC/MS分析を実施した結果、数種類のヨウ素化合物の存在が示唆された。これらの結果から、臭素欠乏状態では、組織の成長に伴いヨウ素化合物が生合成されることが示唆された。 ソゾ属における臭素代謝を検討する場合、放射性臭素を用いる手法が有効であることは既に報告した。しかし、放射性ヨウ素を用いたヨウ素代謝物の研究例はほとんどない。ヨウ素化合物の構造決定やその生理活性、元素選択性等、今後検討する部分は多いが、容易に入手できる放射性ヨウ素と従来本分野に応用されることのなかった分子イメージング法を用いた本手法が、臭素を含むハロゲン代謝機構の解明や新規化合物の探索に有用であることを示すことができた。
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Report
(1 results)
Research Products
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