BMI値がフェンタニルの経皮吸収と薬物動態および鎮痛効果に及ぼす影響の検討
Project/Area Number |
23926007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅰ
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高林 真貴子 金沢大学, 附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2011: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 緩和医療 / 薬物動態変動 / フェンタニル |
Research Abstract |
本研究は、フェンタニル貼付製剤(FP)の体内動態に対するBMIの影響を明らかにすることを目的とした。 先ずフェンタニル経皮吸収後の体内動態を検討する目的で、アレスラットに高脂肪食を与えて肥満モデルの作成を試みたがカロリー摂取量や体重に有意差がえられなかった。そこで、レプチン受容体を遺伝的に欠損するZuckerラットをモデルとして、薬物動態遺伝子の発現について検討した。その結果、肥満時に肝臓のCyp3a2が有意に低下することが明らかとなり、BMIがフェンタニルの代謝に影響している可能性が示唆された。 本院の胃腸外科、肝胆膵・移植外科、婦人科に入院中で同意の得られた患者を対象に、BMIが18.5未満、25以上および中間の各群について投与量または体重あたりの鎮痛用量の関連性、除痛に要した期間について電子カルテを用いて後ろ向き調査を行った。その結果、これまで研究してきた3日毎貼替え型製剤と同様、1日1回型製剤においてもBMIが低いほどFPの鎮痛用量が高い傾向がみられた。このことから、ヒトにおいても肥満がフェンタニル代謝過程に影響を及ぼしている可能性が考えられた。また、BMI25以上群と比較しBMI18.5未満群では、除痛を得られるまでの日数が平均で5日多く要していることが分かり、臨床上の問題点が明らかとなった。 そこで、FP剤の経皮吸収と血中濃度、臨床効果について、入院患者を対象とした前向き試験を計画した。患者のCYP3A4活性の評価するために、尿中のコルチゾールおよびその代謝産物である6β-ヒドロキシコルチゾールの定量について検討した。その結果、尿の濃縮し重水素標識化合物を内部標準物質とすることで代謝活性を評価可能であることが確認された。これらの経過をふまえて金沢大学附属病院IRBに申請を行った。その結果、2012年1月に承認が得られ臨床試験を開始した。今後、本研究の成果が患者個々に最適な用量を早期に設定する方法の確立に寄与することが期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)