注射薬剤の液性および投与濃度管理による静脈炎回避に関する研究
Project/Area Number |
23928023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅲ
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山内 結衣 九州大学, 大学病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2011: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | エピルビシン / 静脈炎 / 薬学的介入 |
Research Abstract |
【目的】 注射薬剤投与に伴う静脈炎は、重症化すると血管周囲組織の炎症や壊死を引き起こすことから、臨床現場における重大な有害事象の一つである。そのため注射薬剤の投与時には、pH等の液性や投与濃度、投与速度等への配慮が非常に重要となる。しかしながら、静脈炎を回避するための適切な投与条件等が明確にされている薬剤はごく一部に限られているのが現状である。 本研究では、静脈炎を引き起こす頻度が特に高い壊死性抗がん剤エピルビシンに着目し、エピルビシンによる静脈炎発現状況を後ろ向き調査により明らかにすると共に、発現要因に基づいた静脈炎予防策の立案やその有効性評価を行った。 【方法】 本研究は九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の承認を得た上で実施した。2004年12月から2010年3月までの間に九州大学病院においてエピルビシンを投与された患者の中で、対象となった123名について、静脈炎発現状況の詳細を電子カルテより抽出し解析を行った。 【成果】 静脈炎の発現に関与する要因について多変量ロジスティック回帰分析により解析を行った。その結果、pHの調節による静脈炎の予防効果は認められなかった。一方エピルビシン注射薬剤には、凍結乾燥製剤と溶解状態で販売されているRTU(ready to use)製剤の二種類があるが、RTU製剤の使用と静脈炎発現との間に有意な関連性があることが示された。加えて、凍結乾燥製剤の使用により、エピルビシン投与による静脈炎の発現率が50.0%から15.4%へと有意に低下することが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
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