Project/Area Number |
23929015
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅳ
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
林 彰子 千葉大学, 医学部附属病院・薬剤部, 薬剤師
|
Project Period (FY) |
2011
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2011: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 膠原病 / ST合剤 / 副作用 |
Research Abstract |
[目的] 膠原病の治療においてステロイド薬は中心的な役割を担う薬剤である。しかし、ステロイド薬は顕著な有効性を示す反面、多種多様で時に重篤化し得る副作用があり、特にステロイド薬の大量投与を行う際には、ニューモシスチス肺炎(PCP)を合併することがある。同肺炎はときに致死的になることから、スルファメトキサゾール/トリメトプリム(ST)合剤の内服薬を予防的に少量で投与することが推奨されている。しかし、副作用発現によりST合剤の中止を余儀なくされることが頻回に認められた。これまでに、ST合剤の予防投与による副作用発現率および副作用発現の危険因子は明らかとなっていないのが現状であるため、本研究では、ステロイドを投与している膠原病患者を対象として、ST合剤の予防投与による、副作用発現の危険因子を検討することで、ST合剤の適正使用に貢献することを目的とする。 [研究成果] 千葉大学医学部研究院倫理審査委員会の承認を得て(承認番号991)、2001年4月から2011年12月に当院第一内科、またはアレルギー膠原病内科において膠原病の治療目的で高用量のステロイド薬が投与され、かつPCP予防目的でST合剤を投与された入院患者におけるST合剤による副作用の発現状況を調査した。対象者は289名であり、予防投与中にPCPを発症した患者はいなかった。薬剤による副作用が認められた患者は127名(43.9%)であり、そのうちST合剤によるものと考えられる副作用の発現した患者は47名(16.3%)であった。発現頻度の高かった副作用は肝機能障害17件(5.9%)、皮疹15件(5.1%)、血小板減少10件(3.4%)であり、ST合剤承認時における副作用発現率に比べ、明らかに高い結果となった。また、ST合剤による副作用発現群と非発現群を比較したところ、年齢、性別、ステロイド薬の初期投与量、他の薬剤(免疫抑制剤、イソニアジド、抗凝固剤、シクロホスファミドパルス、ステロイドパルス、胃薬)の併用の有無、ST合剤の用法用量による有意差は見られなかった。また、対象患者を主要疾患ごとに分類し、副作用発現率の比較を行ったところ、有意差は見られなかったが、Wegener肉芽腫(26.7%)、成人Still病(22.2%)で副作用発現率が高くなる傾向が見られた。
|