京都府野田川流域のつつがむし病患者発生地における媒介種の分布構造の変動
Project/Area Number |
23930002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎医学
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Research Institution | 埼玉県立松山女子高等学校 |
Principal Investigator |
高橋 守 埼玉県立松山女子高等学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ツツガムシ / ツツガムシ病リケッチア / ホットスポット |
Research Abstract |
昨年度と同様、京都府北部の野田川流域のつつがむし病患者発生地で、つつがむし病媒介種の検索と地表面におけるツツガムシ未吸着幼虫の分布構造の変動を調べた。今年度も、この地域からは本病患者は出なかったが、継続調査のため、これまでと同様、野鼠寄生ツツガムシ類、および地表面に生息している未吸着幼虫からリケッチアの検出と分離を試みた。野田川流域で野鼠の捕獲を試みたが、予想に反して全く捕獲できなかった。しかし、リケッチア保有ツツガムシの地表分布に関しては、これまでと同様、あらかじめ選定された調査地点(1区域40地点(40cm間隔)で3区域からおよそ1回の調査で60kgを採取し、その中の未吸着幼虫をツルグレン装置を用いて採集した。今回の調査では、4属5種425個体が採集され、昨年同様、優占種はL.intermedium(65.3%)で、次にL.pallidum(28.63%)であった。リケッチアはL.pallidum 15.6.2%(17/110)からのみ検出され、モノクローナル抗体での反応はGilliam型であった。このことから、この地域でのツツガムシ病媒介種はフトゲツツガムシであり、患者は出なかったものの、リケッチアを保有するフトゲツツガムシは相変わらず高い割合で棲息していることが明らかになった。しかしツツガムシの種構成は昨年度もそうであったように、次第にアラトツツガムシが優占種になりつつあるように感じられた。これが事実であるなら、有毒地が無毒地に変化する要因が、経卵伝播率とあわせて、種構成の変遷に基ずくことも一つの理由に挙げることができよう。この調査地での継続的な調査により、必ずや1995年当時のようなネズミの異常発生と、それに付随するツツガムシの増加に呼応するように、つつがむし病患者発生の再興が近い将来において、不幸にして起こることが予想される。その意味で、今後も継続して調査する必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)