Research Abstract |
○研究目的:片脚落下着地動作時の膝関節外反および内旋は,膝前十字靭帯(ACL)損傷の危険肢位とされるが,足部の状態と膝関節の関係を検討した報告は少ない.そこで,足部回内可動性の評価であるnavicular drop test(NDT)と着地動作時の膝関節との関係および内側アーチサポート(アーチサポート)による着地動作時の膝関節への影響を検討した. ○研究方法:対象は健常成人女性14名とした.まず,非荷重時と荷重時の舟状骨高の差を値とするNDTを測定し,得られた中央値を境に高値群(8名)と低値群(6名)に分類した.着地動作の課題は,30cmの台上より左片脚にて台の前方へ着地することとし,アーチサポートの影響を検討するため,裸足とアーチサポート装着の2つの試行条件で測定を行い,それぞれ3回の成功試行を採用した.動作中の各関節角度は三次元動作解析装置を用い,着地直後より52ms間の股関節内外転・内外旋,膝関節内外反・内外旋,足関節回内外の角度変化量を算出し,3回の平均値を解析値とした.各関節にかかる外力によるモーメントは床反力計を用いて測定し,解析項目は膝関節内外反・内外旋とした.統計学的分析は同一被験者のアーチサポートによる影響にはt検定を行い,NDTの群間比較には等分散の検定を行った後,対応のないt検定あるいはWelchの検定を行った.有意水準は,0.05未満とした. ○研究成果:アーチサポートの有無による比較では,NDTの低値群においてアーチサポートを装着した方が着地後32ms~52ms間の膝内反モーメントの最小値が有意に大きくなった.NDTによる比較では,高値群が低値群に比べて着地後52ms間の膝関節内旋角度変化量が有意に大きく,膝関節内旋角度変化量が有意に小さくなった.本研究の結果から,片脚落下着地動作においてNDTの値が小さい場合,アーチサポートを装着することで外反モーメントの発生を回避できる可能性があることが示唆された.またNDTの値が大きい場合,片脚落下着地動作においてACL損傷リスクが高くなることが示唆された.
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