血小板由来スフィンゴシン1リン酸によるリンパ球動態の調節機構の解明
Project/Area Number |
23931007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊井野 潤子 東京大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2011: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 生理活性脂質 / スフィンゴシン1-リン酸(S1P) / リゾリン脂質 |
Research Abstract |
[目的] 活性化血小板から放出される生理活性脂質,スフィンゴシン1-リン酸(以下SIP)はSIP受容体(SIP_<1-5>)を介して多彩な生理作用(細胞の遊走,生存,増殖,血管新生など)をもつことが知られているが,リンパ球(Tリンパ球)においても強い遊走促進作用が報告されている(Science 296 : 346-349, 2002). 近年,動脈硬化の病態形成などに血小板とリンパ球の関連(Circulation 107 : 2140-2145, 2003)が指摘されているが,本研究ではこのような血小板とリンパ球の相互作用にSIPが関与する可能性を解明すべく検討を行った. [方法・結果] (1)HPLC法によるコラーゲン刺激血小板上清中のSIP濃度は362.13±105.52nM(mean±SD)であった(n=4). 酵素法により,その他関連脂質も測定した. Jurkat cellを用いてSIPの作用を評価するにあたり,細胞表面上のSIP受容体の発現を確認した.FACS,rRNAレベルでSIP受容体(SIP1)が確認された. (3)transwell assay法によるJurkat cellの遊走実験では,血小板刺激上清の10倍希釈濃度で最も遊走し,この濃度はSIPを添加して最も遊走した濃度と一致した.遊走はSIP1の阻害剤であるVPC23019によって抑制された. [結論] 動脈硬化巣など血小板が活性化される状態下で,S1PがS1P_1受容体に作用しTリンパ球の遊走に関与する可能性が示唆された.
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Report
(1 results)
Research Products
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