炎症性疾患におけるC4b結合蛋白質産生増加とプロテインS抗凝固作用の低下
Project/Area Number |
23931008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
池尻 誠 三重大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 炎症反応 / C4b結合蛋白質(C4BP) / Protein S |
Research Abstract |
研究目的: プロテインC凝固制御系の主要な因子であるプロテインS(PS)は、血液中では、補体系制御因子であるC4b結合蛋白質(C4BP)と複合体を形成している。血中ではβサブユニットを有するC4BP(C4BPβ+)がPSと複合体を形成(約60%)し、その抗凝固活性を抑制する。残りの約40%が遊離型として存在し、活性化プロテインC(APC)の補酵素蛋白として機能する。我々は、感染症モデルラットを用いた動物実験で、エンドトキシンによる肝細胞でのTotalC4BPの発現増加、PSの発現低下を確認し、さらにIL-6刺激による肝細胞でのTotalC4BP発現の増加を見いだし、炎症性疾患とプロテインC凝固制御系の関連を示唆している。しかし、ヒトでのTotalC4BPならびにC4BPβ+の動態は明らかにされていない。本研究では、炎症時のC4BPβ+濃度の増減明らかにし、プロテインC凝固制御系がC4BPβ+の増加(遊離型PSの低下)により抑制されているかどうかを明らかにする。 研究方法: DC4BPαおよびβサブユニット特異的モノクローナル抗体を用い、TotalC48PならびにC4BPβ+を特異的に測定できるELISA系を構築する。 2)被検検体を用いて、TotalC4BP、C4BPβ+、CRP、IL-6、TotalPS、遊離型PS、PS活性を測定し、それぞれの測定値を統計学的に解析し、関連性を調べる。 3)感染性炎症例、非感染性炎症例、各疾患群に分類し、TotalC4BP、C4BPβ+、総PS濃度、遊離型PS濃度、PS活性の疾患群による差異や病態の経時的変化における各項目の変化を比較検討する。 研究成果: 炎症時のCRPとIL-6、TotalC4BPの動態はCRPとIL-6の増加に伴いTotalC4BPが有意に増加し、更にその増加はC4BPβ+の増加に起因することが示された。また、C4BPβ+の増加によりTotalPS中のFreePSが占める割合が減少し、PS-C4BP複合体が増加することが示唆された。C4BPβ+の測定系が確立され、C4BPβ+を測定することによりC4BPβ+のPS制御システムがより明確にされた。以上のことより、炎症時の凝固亢進状態をきたす要因の一つとして、C4BPβ+の増加に伴うPS-C48P複合体の増加と遊離型PSの低下によることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)